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プロローグ ページ1

「.......英雄の墓場、ねぇ」

何とも胡散臭い場所だと思ってしまうのは、べったりと貼られた雲が本物に見えないからか、もしくはそれを本物だと認めてないからだろうか。


何にせよ、全てが現実味に欠けていた。


お前は英雄の墓場に逝くのだと告げられた時、僕は楽園の様な所を想像した。

でも実際は違ってたし、ここは楽園でも地獄でもなかった。

なんなんだろ。変な場所________



「思ってたとこと違うでしょ?」

「うん。ホントに何も無いんだね、ここ」

「あくまでも墓場だからね。英雄でも他の死者と扱いは同じみたい」


そう女の人は言うと、ゆっくりと歩き出した。

歩みを進めるごとに、女の人が着けてる鈴の飾りがチリンと鳴った。

「.......いいの?また人間界に戻らなくても」

「_________もう良いんだ。どうせまた中途半端な"何か"になるんだし。うんざりだよそういうの」

この前は半妖、その前は半魚人。そしてその前も半妖。もう嫌なんだ。

完全な人間か妖怪になれないくらいなら、もうこのままここに消えてしまいたいよ。

「_________私と一緒だ」

「そうなの?」

「うん。私も半妖だったんだよ。もう7年位前に死んだから関係なくなったけど」

「ふーん」

「でも本当に良いの?君ならまだ生まれ変われるだけの力があるのよ?」

「だーかーらー、もう良いってば。面倒臭いんだって」

「.......友だちが助けを呼んでても?」

「__________!」

友、だち......

「もし、君が生まれ変わる決意をしたら、君は何になりたい?」

何になりたい、か.......

何度も死んで、何度も転生してきた。

なんかもう、死ぬのが面倒だ。


どうせ生まれ変わるなら、もう二度と死なないものが良いな。



欲を言えば、僕らが皆から呼ばれてた、あの名前________




「不死鳥が良いな........」





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ミナズキ(プロフ) - 和奈さん» これは第一シリーズから見た方がなんとなく解ると思うので、【妖怪ウォッチ】妖怪ウォッチdazeと検索すればたぶん出る筈です。このシリーズを見てくださりありがとうございます! (2016年3月6日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
和奈 - この作品の1から見たいのですが、何と検索すれば出てきますか? (2016年3月6日 21時) (レス) id: 66e0ba6353 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - アンケートはまだまだ募集中です。どこかご協力下さいませ! (2016年1月9日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
火車 - ミナズキさん» そう言って頂けて私も嬉しいです…(*^_^*) (2016年1月4日 19時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 火車さん» いえいえ。アンケートに参加くださりありがとうございます! (2016年1月4日 17時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナズキ x他2人 | 作者ホームページ:http://uosv.org/p/ai0613  
作成日時:2015年12月15日 21時

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