【妖怪ウォッチdaze2】進化と行進【第５章】

159本目〜過去に捕らわれし者〜 ページ12

紅「我に関わった事で、娘は村の人間にもののけと勘ぐられ、殺された......」

微かに怒りの色を混じらせ、紅蓮はかつて存在した娘の名を口にした。

紅「その娘の名は、『優華』。何とも、奇妙な世界よ________」

その名を聞き、アタシはハッとした。

それと同時に、彼がどうして自分の身を顧みず、大嫌いだった人間を助けたのか.......

何となく、解った気がした。


彼は、ずっと後悔していたのだ_______


_____もう息のない死体を村人は地に棄てた。我が山から降りきった丁度その時に、娘は殺されたのだ。

今日の人間界の様に、雨の降る日だった。

もう二度と、娘のあの楽しげな声が聞けぬのかと哀しんだが、それよりも先に、恨み、憎しみ......人間に対する敵意と殺意が生まれた。

あの瞬間、我の敵が替わった。


我は村の者を全て喰い尽くした。手足を千切り、頭を噛み砕き、全てを喰った。

偶然その場に居合わせたエンマは、我を人喰い『赤城大神』と呼んだ。

その日を切っ掛けに、我はケータが見付けるまで、あの部屋に閉じ籠った_______


紅「.......でかい口を叩く割りに、随分マヌケな人生を送っていただろう？」

自嘲する様に、しかし何の感情もこもっていない声音で紅蓮は呟いた。


そうか。そう言う事だったのか。

ユウカに、アタシと関わるなと言ったのも、あの子を守る為だったのか。

女「あんたも案外不器用なのね」

そう呟くと、紅蓮は思い切り眉をひそめフンッと鼻を鳴らすと目を閉じた。



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