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115本目 ページ14

紅蓮side


紅「.......っ」

再び奴の首に牙を通し、先程よりも強力な痺れ薬を流し込んだ。

(何故毒が効かなかった.......)

奴に毒の抗体があったとは思えん。ならば何故、完全に効かぬのだ.......

ズキリ。

紅「ぐっ.......」

あぁ、面倒だ.........何故我は、小娘なんぞを庇ったのだ。

奴に付けられた傷からは、未だにタラタラと赤い体液が流れ続けている。
多少なり妖力で回復する事は出来るが、傷を治すよりも奴の動きを封じる方が先だ。
また暴れでもすれば、今度は我でも止められん。

(......もう良かろう)

これ以上は妖力が保たぬ。我はゆっくりと首筋の牙を抜き、口から離した。

途端、強烈な目眩の様なものが襲ってきた。耳鳴りの様なチリチリと言う音らしきものも聞こえる。

(血を流し過ぎたか.......)

頭を下げ目を瞑り、暫くじっとその体勢で動かずに居た。

次第に耳鳴りは治まり、辺りの音がはっきりと聞こえだした。

ユ「_________紅蓮?大丈夫?」

すぐ傍で、娘が問うた。目を向けると、娘は不安とも心配ともつかぬ表情で我を見詰めていた。

紅「......この程度の傷ごときで倒れはせん。そなたは余計な心配をせずとも良い」

無様に虚勢を張り、頭を地に着け小娘に乗るよう促す。小娘は目敏くそれを察し、すぐに我の頭に乗り上がった。

ユ「.........あ!待って紅蓮!」

紅「大声を出すな。耳に響く」

ユ「ご、ごめん......あの、その子も運んでくれる.....?」

遠慮気味にそう言った娘は、赤猫の根城にいたあの車とよく似たものを指差した。

紅「.......承知」

ぐっと頭を下げ、それをそっとくわえた。

「ヴッ.......!?」

紅「恐れるな、喰いはせぬ」

そして赤猫団の者も背に乗せ、我はふらつく身体で鬼時間・怪から抜け出し、赤猫団を根城へ返し、娘を保護させる為に奴をつれて主の居る本家の本陣へと向かった。




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Yuwa☆(プロフ) - ミナズキさん、以前コメントをしていただいたYuwa☆です。覚えておりますでしょうか?私は妖怪ウォッチについてはよく分からないのですが、カゲプロといい感じにマッチしていると思います。まだまだ頑張れば伸びれると思うので、頑張ってください!! (2016年7月28日 23時) (レス) id: 66576eb42d (このIDを非表示/違反報告)
宇田川ほたる(プロフ) - ミナズキさん» そ、そうだったんですか!?ラスボスがゴーストバスターズのオマージュだったのは知っていたのですが......なるほど〜。 (2015年12月16日 20時) (レス) id: ffdfaa6854 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 宇田川ほたるさん» コメントありがとうございます!自分進撃が好きなので。あとバスターズでも結構進撃ネタが出てきてたんでそれでこんな事になりました (2015年12月13日 9時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
宇田川ほたる(プロフ) - 今回進撃ネタ多いですね〜!これからも頑張ってください!!!! (2015年12月12日 23時) (レス) id: 1e49702bfe (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 宇宙花さん» ありがとうございます!因みに作品の名前って何ですか? (2015年12月6日 15時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナズキ x他2人 | 作者ホームページ:http://user.nosv.org/p/ai0613  
作成日時:2015年11月16日 20時

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