趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

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『あ、あの』









幻滅した…？









そう声に出すつもりだったが、それは叶わず、






マイクを強く握り締めた手を上から握られた。





視界の端からななもりさんの顔がぬっと出てきて思わずびくつく。









な「Aちゃん、すごい。すごいよ」








こちらをじっと覗き込むその瞳が輝いている。



初めて“mono”と名乗った時と同じ瞳。









『へ、変じゃなかった…？』



な「へ？どこが？」






動画で聴いた通り綺麗な歌声だね、と敬慕の表情。









さ「変どころじゃねーよ、お前喉から音源出してんのか」






不意にさとみくんの掌が頭に乗せられる。



目線を上げると感心した様な、でも若干不貞腐れたような表情を浮かべている。


――この顔を知ってる、照れ隠しする時の彼の癖だ。








さ「…凄いな、滅茶苦茶練習したんじゃねーの？」









今までコメント欄ではたくさんの賞賛の声を貰った。


けど面と向かって言われたのははじめてで、









ああ、わたしの歌で人を笑顔に出来てるんだな



努力してるの解ってくれてるんだな









“A”として、歌っていいんだ









そう思ったら、不意にぽろり、と涙が一粒溢れた。




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