彼との出会い ページ2
ym
「…さっみぃ」
俺がそう呟くと
白い息が真っ暗な冬空に消えていった
12月1日
俺は部活を終えていつも通りに家へと帰っていた
「ただいま」
「おかえり、涼介」
そう俺を迎えたのは従兄弟の薮宏太
俺の両親は五年前に他界し、従兄弟である宏太が引き取ってくれることになった
「外寒かったろ?先風呂入んな」
「うん、ありがと」
フニャっと笑う彼は大学生
俺も宏太もバイトをしたりしてどうにか生活をしている
風呂から上がると、コンビニで買ってきたであろうお弁当が机の上に並べてあった
「ごめんな、こんなんで」
「いや、キッチンを破壊されるよりは断然良いよ」
宏太は一度キッチンを悲惨な状態にした前科持ちだ
だから俺の方が帰りが早い時は俺がご飯を作っている
もちろん、朝食は絶対俺
いただきますと言ってご飯を食べ始めれば、宏太は大学での出来事やバイトでの出来事を話し始める
そして俺も今日1日について話す
これが俺たちの日常だ
「今日伊野尾ってやつがさ…」
伊野尾慧
中学からの友達で、すっごい頭が良いと以前話していた
他にも、八乙女光や高木雄也とかいろんな人がよく話に出てくる
なかでも八乙女さんとは仲がとてもいらしく、すごく頻繁に名前がでてくる
「ごちそうさま。ごめん宏太、俺明日朝練あるから早く寝るね」
「朝練か、大変だな。がんばれ」
「うん、おやすみ」
食器を片付け、リビングを後にした
階段を上がって自分の部屋のドアノブに手をかける
そしてゆっくりとドアをあけた
「…え?」
本来誰もいるはずのない俺の部屋になぜか誰かがベットに腰掛けている
そしてそいつは俺を見てにっこり微笑んだ
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作者名:あ | 作成日時:2019年5月3日 2時