孤独の女王【あんスタ】【アイカツ！シリーズ】 (ページ8)

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「それじゃあ、同時に音を出すからAちゃんは低い音、エルザちゃんは高い音で声を出してね。」
『「了解」』

～♪

いくら低い音、高い音とは言えどそれなりに高い。
ぎりぎり電子ピアノで足りるくらい。

『「～♪」』
「オッケー、いい感じ。
それじゃあ、＜bon bon voyage＞のサビを歌おうか。」

私とエルザはお互いの顔が見える様に向き合い、音楽に合わせて口を開く。

『「～♪」』

歌を歌う時は必要な音以外は全部頭に入れない。
歌だけに集中する。

そうすることで、歌が上達する。

ダンスはもう、体に染みつかせて歌が流れだしたら自然と踊れる様になるまでやりこむ。

それが、大体のトップアイドルがやっていること。

勿論、私も。

月永レオ.side ―――――――――――――――――――――――――――

高校三年になって、何かが足りない気がしていた。ずっと。

俺は、大事な物を失っているのではないのか、延々と思っていた事だった。

今もそれは続いていて、何を失ったのか、何が足りないのかは分かっていない。

けど、一つだけ言えるのはきっと“音楽”関連であること。

俺にとって、今も昔も大事にしてきた“音楽”。
それにきっと関連出来ることなんだろう。

…だとして、一体なんなのだろうか。

そんな事を考えつつも、廊下で霊感(インスピレーション)が沸いたので作曲をしているとセナが俺の目の前に立った。

「おぉっ？どうしたセナ！」
「どうしたじゃないでしょぉ？！
今日はレッスンあるって言って置いたでしょぉ！？」
「むむむ…、そんな事言ってたっけ？」
「はぁ…。ほら、行くよ！」
「あっ、ちょっと待って何処に行くんだ？！あぁっ！言わないでくれ、考えたい！」
「あーはいはい。
…？くまくんからの連絡が入ってる。えーと、何々…？＿＿室のレッスンルームに来てぇ？
はぁ、ほんっとくまくんもマイペースだよねぇ。」

そういって、溜息を吐きながら俺の制服の根っこを掴み歩き出す。

こんなことはもう既に日常茶飯事なので気にせずそのまま作曲を続ける。

「わははっ☆セナに引っ張られると霊感(インスピレーション)が沸いてくる！」
「アンタは変態か！」

どんどん沸いてくる霊感(インスピレーション)に耐えきれずどんどん紙に譜面を書いていく。