【殺戮の天使】前世持ちオタクの興奮

七十三話　突入 ページ38

それからさらに一週間が経過。

特にレイの動きに進展はない。

結局、ノアに会ったときどんな反応をすべきか、
という問題には、ぶっつけ本番ということになった。

そのほうがよりリアリティーのある反応になるだろう
というザック先生の助言だ。

だが、もし困ったときのためにメモは用意しておいた。

何かあればそのメモを見ながらセリフを叫べばいい。


と、準備は万全、とまではいかなくとも、ある程度整った。

なので、そろそろ暇になってくる頃。
仕事があるから私はともかく、
ザックとリーファが暇を持て余している。

そのせいで最近二人がテレビ見てダラダラしているだけの
ヒキニートと化してきている。

家事だけじゃ時間はつぶせなかったらしい。

そんな性格じゃなかったよね、という状態だ。


しかし、レイが地下に行かないと私は行動を起こせない。

それは、キャラに会いたいという不純な動機以外にも訳があるのを、
皆さまは覚えているだろうか。

自分一人でB6まで行ってそこからまた上がってくる自信がない。

悲しいかな、こう言い切る自信だけはあるのだ。

しかしレイとなら行けそうな気がするし、何より心強い。
原作と同じ流れなら、ノアも味方になってくれるかもしれないし、
そうなればよりノアとコミュニケーションもとりやすい。


そのため、私はただ仕事をするだけの、
二人にとっては退屈な日常をしばらく送る羽目になった。


そして。









異変があったのは、それからだいぶ時間が空いてからだった。

だいぶ、を具体的に言うと、
バックに詰めてザックに取り上げられたあの非常食が
つまみ食いによってすっかり消えてしまうぐらいだ。

その省略しただいぶ、をここで語るのは……
成人女性がただ仕事するだけの話なんて、つまらないだろうからやめる。

それより、ビルに突入した話をしよう。


いや、やはり何かしら策を考えるべきだったね。
あんな作戦、愚策とも呼べなかった。

もちろん、ザックには呆れの眼差しをいただいた。

同情すらしてくれなかったのだ。
まぁ、結果オーライだったわけだが。


この言葉で察した人もいるだろう。


ビル突入は、見事に失敗した。


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次回からついに、原作突入！の予定。
もしかしたら次々回になるかもしれません。

当初は予定してなかったとはいえ、七十話以上かかった……。

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