もしもアーヤが毒舌だったら！？

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『事件』という言葉にみんなすごく動揺しているのが分かった。







そりゃそうだ。





だってこの街は平和で、事件なんてそうそう起こらないんだもの。






不謹慎なのは分かっているけど、私はワクワクする気持ちを抑えられなかった。






だって、事件！！！


今更だけど、なんて素敵な響きなんだろう！！





またみんなと調査ができる！









みんなが期待に目を輝かせながら若武をみて、
若武はその視線に満足をしたように息をはき、話を続けた。








｢事件とは、この前市内放送があった、老婆失踪事件のことだ。｣








老婆失踪？？？





ん？？？





カッコつけて言ってるけど、
よく考えたらそれ、よくあるおばあちゃんおじいちゃんが行方不明になりましたってやつじゃん。





こんなこと思うのは間違ってるけど………




つまんない………………






｢緑の桜は知っている｣であった佐藤さんの失踪は、事件性があったから調べがいがあったけど……





うーん、正直いって認知症のおばあさん探すよりも、この前悪かった数学の勉強したい……






こう思ったのは私だけではないらしく、若武を除く全員が はぁ、と深いため息をついた。






｢諸君、なにをそんなに嫌そうな顔をしているんだ？｣





若武はその原因が分からないようで、きょとんとした顔をしていた。





｢お前はなんでそんな事件とも言えないようなものを調査しようと思ったんだよ｣






上杉くんが呆れたように若武に聞いた。






すると若武は怒ったようにこういった。




｢あのなぁ、行方不明のおばあさんは俺の実の祖母で、昔よくお世話になってた人なんだ。



確かにお前らにとっては他人だけど、俺にとっては大事な人で、俺らは探偵チームなんだろ。





おばあさんを探そうと思うことの、俺らで見つけ出そうとすることの何が悪いんだよ。





お前らの大事な人がいなくなっても同じことが言えるのか？？？｣

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