ぴえろの日常

日常38 ページ47

貴女Side




　昨日、自己嫌悪にさいなまれてウジウジしていた事が嘘のように今は頭がスッキリとしている。
　あ、でも人だった時の癖で寝起きの一杯の水を飲もうとしてキッチンに来てしまっているのは良くない。

　そういえば、ご飯の時間になったら…いや、なる前からピスが自分から「ゴハン、ゴハン」って私の肩に乗ってくるんだけど、今日はそれがない。

「珍しいこともあるもんだね…ん?」

　部屋に冷たい風が通ってる?

　どこからだろう。

　視線をさまよわせると、少しだけ開いていたベランダの大きな窓が目に入った。
　そーいえば昨晩、部屋の換気のために開けていたんだった。

「ピース、ゴハンだよーん?」

　寝室に戻って鳥籠の中を覗いてみた。

　起きたときに確認済みだったけど、やっぱり籠の中にピスはいなかった。

　トイレから始まって物置き部屋、リビング、戻って寝室。衣装部屋は隠れんぼをして遊んでいたときに大体の確率でハンガーにかかっている服と服のスキマにハサまっているピスを発見してたんだよねん。
　ハンガーにかかっている服をソフトタッチで横にスライドしていくけど、ピスが出てくる気配はない。

「どこいっちゃったんだろん…まさか外に出ちゃったのかなん?」

　ポツリと呟いたとき、玄関の方からーーピンポーンと、軽快な音が聞こえてきた。
　インターホンの音だ。

「ハイハイ、どちら様ですか〜〜〜ん?」

　衣装部屋をほっつき歩いていた足で、そのまま玄関へと向かう。


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