日常34 ページ43
私の母は有名なヴァイオリニストで美しい人だった。
私の正体がなにであっても、人として生きなさいって言って綺麗に笑う…そんな人だった。
「わぁ、キレイな人だね」
えへへ、でしょでしょ?
「誰だと思う?」
後ろから覗き込んできたウタに写真が入ったロケットをよく見えるように突きつける。
ウタは「ウ〜ン」と、うなったあと「…お姉さん?」と答えた。
「おし〜い、正解は私のお母さんだよん。結構前に死んじゃったけどね」
「そう…道理で似てると思った」
「ど〜こがよん。パッと見はそうかもしれないけど、よく見ると私の顔は全然違う作りしてるからね?」
「じつは実の子じゃないとか?」
「ちがーう。顔も知らないお父さんの血を引いてるんだよん」
本当はお父さんの顔も知ってるし、どんな人かも知ってるけど、今は私からお母さんを取り上げたヤツの話なんてしたくない。
開いていたロケットをパクンと閉じた。
「そのロケットのネックレス、いっつも身に着けてるから何なのかと思ってた」
「なくしたらイヤだもん。じゃ、私はそろそろ」
ゴロゴロしていたベッドからおりようとすると、上に乗っかって同じくゴロゴロしていたウタは更に体重をかけてくる。
「そんなに嫌?ボクの所泊まるの」
「うっ、ぃ、いやとかじゃなくて…家でピスがお腹すかせて待ってるから…くるし!」
「…そっか。じゃあ帰らないとだめだね」
「ご、ごめんね」
なんとかどいてもらえたけど、シュンとされちゃうと罪悪感が半端ない。
「あ、でも外でたらヤバイやつがいるんだよねん?」
「Aなら大丈夫だよ」
「さっきと言ってること違うくない?」
★
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しゅー - つばきさん» パスワードを教えていただけないでしょうか 続きがどうしても見たいです! (2022年11月10日 6時) (レス) id: b8c93be065 (このIDを非表示/違反報告)
ロジュ - すごい素敵です✨ (2022年11月10日 6時) (レス) id: b8c93be065 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - 名無しさん» イエスです。1番最初の主人公紹介にくわしく載っけてますので、よかったら見てください! (2018年4月25日 22時) (レス) id: 6182659536 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 主人公の口調は語尾に「〜ん」がつく感じですか? (2018年3月20日 14時) (レス) id: 0003b3e86d (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - Sinoさん» 待っていてくださって、コチラこそありがとうございます。°*ノロマノロマ+気分更新なのが申し訳ない…(泣) (2018年3月12日 21時) (レス) id: 5e1b7d3caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つばき | 作成日時:2016年6月4日 23時