日常25 ページ34
トーカside
「あ〜〜、珈琲が身にしみる〜〜」
目の前でズコ〜〜〜と珈琲をすする奴がいるんだけど、そいつは昔はリゼと同じく20区では厄介者と呼ばれていた喰種だったんだよ。
…って、言っても多分誰も信じやしないだろうな。
「全然そんな風に見えないし」
「え?なに?何か言ったトーカ?」
「いや別に」
「嘘だね、絶対に何か言った!さぁ言え!」
Aはむっとしながら私の手元をカウンターから身を乗り出して覗き込んできた。
因みに今はパイの生地をボウルを使ってコネコネしてるところだ。
こねこねこねと…
じ〜〜〜〜っと、視線を感じるからやりにくい事この上ない。
「何作ってるかと思ったら…それパイの生地だよねん。何パイ?」
さっきまでムスッとしていたのに、今はもうケロンとしてる。
さっきあたしが何を言ったのかもう気にならなくなったのかよ…。
「…レモンパイ。手元狂うからガン見するのやめろ」
「え〜〜見てるの楽しいのに」
「これ以上見たらその口にパイ生地突っ込む」
「わ〜お、まだ焼いてないから突っ込まれたら窒息死するねん」
楽しそうに笑いながらAは着ていたコートのポケットに手を突っ込む。
取り出したのはスマホだ。
画面を見て黒い瞳を瞬かせる。
「あれ、カルディナさんからラインきてたのか。ならそろそろ店から出とかないと」
スマホを再びポケットにしまいながら席からピョーンと翔び立つA。
思い立ったら即行動は今も昔も変わらない。
コッチがその行動力にどれだけ振り回されて来たかコイツは一度思い知るべきだと思うんだよな。
あー、なんか思い出したらモヤモヤしてきた…。
「…お会計6万4千円」
「いやいやいやどんな計算したの。オカシイって。あとなんでパイ生地こっちに投げようとしてんの!?」
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しゅー - つばきさん» パスワードを教えていただけないでしょうか 続きがどうしても見たいです! (2022年11月10日 6時) (レス) id: b8c93be065 (このIDを非表示/違反報告)
ロジュ - すごい素敵です✨ (2022年11月10日 6時) (レス) id: b8c93be065 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - 名無しさん» イエスです。1番最初の主人公紹介にくわしく載っけてますので、よかったら見てください! (2018年4月25日 22時) (レス) id: 6182659536 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 主人公の口調は語尾に「〜ん」がつく感じですか? (2018年3月20日 14時) (レス) id: 0003b3e86d (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - Sinoさん» 待っていてくださって、コチラこそありがとうございます。°*ノロマノロマ+気分更新なのが申し訳ない…(泣) (2018年3月12日 21時) (レス) id: 5e1b7d3caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つばき | 作成日時:2016年6月4日 23時