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「おっ!おぉ〜」


サトシさんが急に唸って、二宮くんから身を離し、ポケットに手を突っ込む。


「何よ〜、どうしたのよ?」


笑いながら二宮くんがサトシさんを見る。

サトシさんはポケットからスマホを取り出して、タップする。


「ずんくんからだ」


「ずん、て」


笑いながら一緒にスマホを除き込む二宮くん。


「あ、明日相葉サンと潤くん、こっち来るって。今日、仕事納めだったんだぁ。
1日、合格祈願に初詣行こうってさ」


サトシさんからスマホを取り上げた二宮くんがメールを読み上げる。


………さすが、松本さん。
二宮くんでも櫻井さんでもなく、スマホ持ちたてのサトシさんに連絡を入れてあげるあたりが、分かっている。


「はいはいはい、
歩きながらのスマホはダメねー」


櫻井さんが引率の先生みたいに言って、スマホを見ながら階段を降りていく2人を諭す。


「高橋さんも一緒行くでしょ?初詣」


振り向きざま、訊いてくる二宮くん。
その訊き方が、決定事項の確認みたいな言い方で、私の心を軽くしてくれる。
笑顔のままサトシさんと櫻井さんが私の返事を待ってくれることも、とても嬉しい。


「はい。ご一緒させてください」


サトシさんと櫻井さんが確認し合うみたいに頷き合って笑ってくれて。
私も嬉しくなって笑ってしまう。


もう少し。
あと少しの時間かもしれないけれど、
この幸せな時を一緒に味わわせてください。

誰に、ともなく………
ううん、二宮くんたちに、かな、
祈るような気持ちを抱えながら、二宮くんたちが先に進んで待っている階段を降りて行った。

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作者名:えりんこ
作成日時:2014年9月16日 16時

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