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45.3 ページ36

櫻井さんの家は、大学通学のために借りられているというマンションで。
1LDKの構造。

家具も揃ったリビングダイニングに6人で集まっていると、ログハウスにいた時よりずっと閉塞感があり………

ち、近い。
すごくみんなとの距離が近すぎる。

ローテーブルにいても、ソファ近くに移動しても、テレビ前を陣取ってみても。
みんなが席についたら、誰かしらと肩がぶつかるんじゃないかと思い………落ち着かない。

自分が収まるべき位置を探して、立ったり座ったり、座り直したりを繰り返す。


「何してんのよ?動物園の熊みたいに」


気だるそうに、チラリと視線を寄越した二宮くんの言葉に、鎧袖一触でヤられる。

ど、動物園の熊………

充てがわれた檻の中、右に左に巨体を揺らす熊を思い浮かべると、確かに、私に重なる。
でも、熊って。
女子にむかって、熊って。
ウサギと言って、とは言えないけど、せめて、カピバラあたりで留めて欲しかった………


その二宮くんはといえば、ここへは来なれているのか、ソファの足元に座ってパラパラと週刊少年マンガ誌を捲っている。

隣にはサトシさん。
二宮くんが寄り掛かっているのか、サトシさんがそうなのか、肩をくっつけ合っている。
そんな体勢で、サトシさんは、スマホのゲームを嗜み中。
時々、進め方が分からなくなるのか、二宮くんに指示を仰いでいる。

テレビの近くには松本さん。
ラックに並べられたDVDケースを手にとっては、裏の解説を読んで面白そうなものを吟味している。

そして、相葉さんは、室内を物色中。
クローゼットを開けようとしたり、寝室のドアを開けようとしたり、自由に動き回っているけど。
相葉さんが動くたびに、

「ちょーっ!!」

「ストーップ!!」

「ノー!!」

と櫻井さんが飛び出して阻止。
それを笑っている相葉さん。
どうやら、物色というより、興味は櫻井さんの過剰な反応にあるみたい。


「怪しいなぁ。翔ちゃん、ヤバイもん隠してんじゃないのー?うひゃひゃ」


「ヤバイもんつーか、開けたらヤバイんだよ。雪崩が起きるし、閉めるときコツがいんの!!」


………それって、収納の仕方に問題があるんじゃ?


「みんなが来るっつーから、片づけんの大変だったんだぞ!」


………片づけた、というか、寝室にいろいろ放り込んでみたんですね?


2人のやりとりがおかしくて、クスリ、と笑ってしまう。

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作者名:えりんこ
作成日時:2014年9月16日 16時

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