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それから2か月は、あっという間だった。

櫻井さんとサトシさんとは、その間も週2回のペースで会い、
櫻井さんには最後の追込み時期までしっかり勉強をアシストしてもらった。

櫻井さんは試験日直前まで、いつも通りのペースを崩さず、丁寧に勉強を見てくれて。
少しでもわからないことは、試験日までの時間に関わらず、遡って最初から確認してくれた。

今振り返ると、私の受験期間は最初から最後までずっと、櫻井さんが舵取りしてくれていたんだと思う。
それはちょうど、マラソンのスピード配分みたいなもので。おかげで、私は最後まで失速することもなく、ムリなラストスパートをかけることもなく、自分のペースで走り続けることができた。

家庭教師中、時々、サトシさんがパンを買ってきてくれたりして、和やかにお茶をした。
そんな時間も、ちょうどいい息抜きになった。
絶妙な2人のコンビネーションによるアシストを受けて、私は程よい緊張感で試験に臨めた気がする。

センター試験が終わって、すぐに大手予備校のセンターリサーチに自己採点結果を出して。
その結果を受けての、センター試験利用入試で私立大の初等教育学部の合格は確定。

一安心したのも束の間、すぐに二次試験前期日程が始まって。
一息つくタイミングを逃したまま、あれよあれよ、と言う間に受験シーズンを終えてしまった。


二宮くんとはセンター試験当日の2日間と、そのあと1回、二次試験日に学校へ報告しに行ったときに偶然職員室前の廊下で会っただけだった。

でも、私の傍らにはいつも、サトシさんがくれた「私」と一緒に、二宮くんがくれた黄色いお守りがあって。
それをギュッと胸元で抱き締めるだけで、心が暖かくなって、自然と笑みを浮かべることができた。
………なんていうか、私よりずっと頑張っているだろう二宮くんの存在に、勇気付けられ、励ませられ、助けられていた。

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作者名:えりんこ
作成日時:2014年9月16日 16時

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