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11.4(sideA) ページ10

大ちゃんは。
俺みたいに、話しはできないって言っていた。

もったいないなー、とは思ったけど、
『それで、良かったんじゃない?』
て言った。

だって、植物たちは
大ちゃんが来ると みんな
『好きー』
『好きー』
『好きー』
ってうるさくなる。

あんな求愛、毎日うけていたら
俺なら、まいっちゃうから。

大ちゃんといると、
俺の頭に連続してドングリが落ちてきたり
花粉で鼻をくすぐられて、クシャミが止まらなかったり
カエデの葉が顔面に当たったり
本当、災難ばかりだった。

でも、
『すげぇな〜相葉ちゃん。愛されてるなぁ。んふふ』
て目を細めて笑う大ちゃんが可愛かったから。
役得かな、とも思っていたんだ。



そんな
大切な大切な
大ちゃんを失った俺と皆は
自暴自棄になっていった。

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作者名:えりんこ
作成日時:2014年6月10日 22時

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