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10.2(sideA) ページ2

スルスルと木を降りていく大ちゃん。
俺が上からジャンプで飛び降りたら、驚いていた。

『競争だもんねー』

『え?ちょっと待ってよ相葉ちゃん』

大ちゃんが笑いながら、追いかけてくる。

俺の方がリーチが長いけど
大ちゃんの方が足が速いから
俺は追いつかれないように、振り返らないで走る。


『大ちゃん、速く速く』

『え〜?』

風を感じながら、木々の間をすり抜けて行く。
俺が道を選んで進むから、大ちゃんの方が不利なんだけど。

油断すると、すぐに木々を味方につけちゃうんだもん。
大ちゃんにだけ追い風を送ったり、
俺の足元には蔦(つた)を絡ませたりさ〜!

大ちゃんは気づいてないけど!


サワサワ サワサワ…
いつもより騒がしい、木々のざわめきを聞きながら
その声には耳を澄まさなかった。

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作者名:えりんこ
作成日時:2014年6月10日 22時

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