大ちゃんは、俺のだから。-second-【ar×ym】 (ページ38)

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「それ、3つ目の命令？」

ym 「そんなくだらないことに使わないよ。当たり前のことでしょ」

くだらないことって言ったよ。

じゃあ、やっぱり独占欲ではないらしい。

まぁ確かに、山田が俺を独占とか、

そんなのありえないよな。

分かってるけど、頬が熱い。

すると山田は、鋭い目で俺をのぞく。

ym 「大ちゃん、何赤くなってんの」

「は？」

ym 「いちいち赤くなるなよ。バーカ」

「…な、なってないし！」

山田に言われて頬に触れてみる。

確かに少し火照ってるかもしれないけど、

これは気のせい。

たぶん、病み上がりでまだ熱が残ってるんだよ

それか…。

「これは夕日のせいだ！」

ym 「まだ昼間だよ。太陽サンサンじゃん」

そうだ忘れてた。

朝からライブ準備だった俺たちは、

何か買ってくるとかいう名目で

外に出てきたんだった。

「…てか、すっかり忘れてたけど、買い物は？せっかく出てきたんだから、みんなにも何か買っていこうよ！」

ym 「えーめんどくさいな。待って。今、薮ちゃんに聞く」

そう言って、山田はスマホを取りだし、

操作しはじめた。

「何してんの？」

ym 「…薮ちゃんに何か買ってきてほしいものあるか聞いてるの」

へぇ。ほぉ…。

薮ちゃんと頻繁にしてるのかな。

俺には、あんまりメール送ってこないくせに。

…ライブ準備の話とか、よくしてんのかな？

ym 「あ、電話かかってきた」

メッセージを送るとすぐに電話がかかってきた

らしく、山田は電話に出た。

ym 『あ、薮ちゃん？今、電話して大丈夫なの。…あー、そうなんだ。俺ら今、駅前にいるんだけど』

スマホごしに、薮ちゃんの声が聞こえる。

…なんだ？この胸のモヤモヤ。

思い出すのは、俺が山田にお礼を言うために

電話した時の、山田の言葉。

ym『右からも左からも大ちゃんの声が聞こえるのって、すごい落ちつく』

み耳元で聞こえる声に、隣から聞こえる声に、

安堵したのを覚えてる。

『だから、困ったことがあったらいつでも連絡して』

俺がそう言うと。

ym 『困ってないと、ダメなの？』

そう言ったのは、山田なのに。

別に俺、ダメって言ってねぇのに。

山田全然、電話してこないじゃん…。