兄さん攻略法3

攻略法99↓ ページ9

樹side


「ふわっ！？」


そんなことを言われ自然に顔が赤くなるのがわかる。


「はぁ、おい英智あまり瀬名をからかうな。」


真後ろで声が聞こえ、思わず振り返る。


「は、蓮巳先輩……」


ちょうど真後ろに立っていたのは、資料を持っていた蓮巳先輩と真緒くん。いつの間にここにいたのだろうか。


「会長ってそんなキザなことよく平気で言えますね………」


「ま、ま、真緒くん。」


「とりあえず落ち着け樹。」


資料を机に置き、私の方を向く。


「あ、ありがとう。ちょっとびっくりしただけだから。」


私はそう言って笑った。


「ふふ、彼女からかうと面白いんだよ。」


私完全に遊ばれている！！


「はぁ、あんまりからわないでください。驚きますから。」


「ふふ、わかったよ。あ、そうだ！」


な、なんだ？


「ねぇ、敬人。鬼龍くんを彼女に紹介してあげたらどう？」


鬼龍先輩？何故？


「ん？話の内容が掴めないのだが。」


「瀬名さんが、衣装のことで色々とあるらしいから。」


「なるほど。それで、鬼龍か。」


？？なんで、衣装のことで鬼龍先輩が出てくるの？


「樹は知らないのか？鬼龍先輩は結構裁縫が得意なんだ。紅月の衣装はほとんど鬼龍先輩が作ってるぞ。」


「へぇ！知らなかった。」


鬼龍先輩のイメージからはあんまり考えられないかな。


「鬼龍なら今部活だな。」


確か鬼龍先輩って柔道部だよね。


「瀬名。」


「はい。」


「明日は何か用事があるか？」


明日……


「いえ、特になかったと思いますが。」


「では明日紅月のプロデュースをしてもらえるか？その時鬼龍を紹介しよう。」


「え？！いいんですか？」


「何故だ？デメリットは見つからないはずだが？」


蓮巳先輩はそう言って眼鏡をクイっとあげた。
まさか、あの副会長さまから直々にプロデュースの依頼が来るなんて。


「わ、わかりました。明日お伺いします。」


「第一防音室でやる。」


「は、はい。」


「頑張れよ樹。」


「あ、ありがとう、真緒くん。」


明日は絶対緊張するよ。胃薬でも買って帰ろうかな？

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