兄さん攻略法２

攻略法90↓ ページ48

あんずside


「お疲れ様、樹ちゃん。」


私はジャッチメントの片付けをしている樹ちゃんに後ろから声をかけた。


「あ、あんずちゃん、ありがとう来てたんだね。知らなかったや。」


私に気づいた樹ちゃんは機材を置いて、私の方に向いた。


振り向いた樹ちゃんの目は真っ赤だった。


「！！樹ちゃん目、真っ赤だけど大丈夫？」


すると肩を震わせ、照れたように笑う。


「やっぱわかる？」


「もちろん。誰だってわかるかな。そんなに赤かったら。」


嘘、っと言いながら崩れ落ちる樹ちゃんを見て、私は愛着が出てきた。

本当に可愛いなぁ。


多分樹ちゃんはさっきまで泣いていたのだろう。ジャッチメントの結果はKnightsの勝ち。これは樹ちゃんにとってとっても嬉しいことだろう。


「本当に樹ちゃんはKnightsが好きなんだね。」


「うん、大好きだよ。」


樹ちゃんはこちらを見てふわっと笑った。
その笑顔が、泉先輩がたまに笑う笑顔に似ていた。

やっぱり兄妹なんだなぁ。



樹ちゃんは立ち上がり、再び機材を持った。その横にはまだ片付けなきゃいけない機材が並んでいた。


「私も手伝うよ。」


私は隣にあった機材を持ち上げた。


「え？！いいよ。あんずちゃん、大丈夫だから。」


「いいの。私がしたいんだし。それに樹ちゃんともっと話したいから一緒に行くよ。」


頼まれていたこともあるしね。

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