兄さん攻略法２

攻略法89↓ ページ47

樹side


「あなたにはまだ教えてもらいたいことが山ほどあります。私は、まだあなたのことをなにも知りませんから。私もKnightsですから。かつて勇名を馳せた我らが王の武勇伝ぐらい聞かせてくれませんか？」


「んー聞いて面白い話なんてないんだけどな。馬鹿が馬鹿らしく馬鹿やって負けて逃げ出したってだけだし。でもまぁ、興味があるなら聞かせてやるよ。でもまあ、まだジャッチメントの勝敗も決まってないもんな。」


確かに。さっきまで完全にレオさんが負けて、Knightsが勝った後のお話してたけど！まだ勝敗すら決まってなかったね。


「さぁさぁ、前口上はこの辺で。勝負しよう………ううん、思いっきり遊ぼっか新入り♪」


「はい、Leader。改めて確認しておきますが、私たちが勝負に勝てばなんでもいうことを聞くと仰っていましたよね。今更、前言撤回はさせませんよ。」


「私が勝利したら、とりあえずまずは新入りではなく名前で呼んでいただきます。自己紹介から始めましょう。ようやく帰還された我らが王よ。」


司くんはそう言ってマントをはためかせた。









「Repeat after me………私の名前は朱桜司です。どうか以後お見知り置きを。」









そう言って始まったジャッチメント最終決戦。

私の先ほどのこぼれ落ちそうになった涙はいつの間にか引っ込んでいて、司くんとレオさんの戦いに目を奪われていた。









この日、もう一度Knightsが一つになる日。


きっと………いや、絶対に私はこの日を忘れない。

攻略法90↓→←攻略法88↓

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す