攻略法47↓ ページ5
樹side
私がもっと小さい頃、詳しく言うと私が小学校低学年の頃。
私が兄に無視された翌日から落ち込んでずっとずっと泣いていた。
「ヒック……なんでぇ……おにぃちゃん。」
当時の私は兄さんに何故無視されているのか全くわかっていなかった。
「樹……ちゃん?」
公園で一人で泣いていた時、私に声をかけたのが遊木くんだった。
「う……ヒック…やだよ〜」
「え、え?どうして泣いてるの?」
「ヒックヒックゆ、ゆうにぃ?」
声をかけてくれた事に驚いて私は落ち込んでいた顔を上げて遊木くん………ゆう兄を見る。
「どうしたの?泉さんと何かあったの?」
ゆう兄に兄さんの話をされて思い出し、もっと泣く。
「う、うぁお兄ちゃんん」
兄さん兄さんと言ってゆう兄の言葉に耳を傾けていなかった。
「えぇぇぇと。」
困っていたゆう兄を私はもっと困らせた。
「と、とりあえず泉さんのところに行こ。」
「む、無理だもん……」
「樹ちゃん泉さんと喧嘩したんだよね、多分。だったら話せばわかるよ!」
ゆう兄はそう言って私に手を差し伸べたが私はそれを
「無理だもん!!!」
思いっきり振り払った。
「あれ以来お兄ちゃんは私とお話してくれないよ!だから無理だもん!兄弟がいないゆう兄には分からないよ!!」
そう言って公園を飛び出した。
あの日を境に私はゆう兄に関わることをやめた。
あの手を振り払った罪悪感で……
ゆう兄……遊木くんは私にとってのもう1人のお兄ちゃんのような存在だった。私を可愛がってくれて、一人の時は一緒に寄り添ってくれて…
あの日も遊木くんは優しく手を差し伸べてくれた。
けれど私はその優しい手を思いっきり振り払った。
手にとれば良かった。
しっかりと事情を話せばよかった。
そんなあの日を私はずっとずっと後悔している。
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灰月葵(プロフ) - 瀬永ゆうさん» ありがとうございます!!初めての作品なので喜んで貰えて嬉しいです。とても皆さんに早くお届けできるように頑張ります!! (2020年5月7日 12時) (レス) id: c25f3f3a69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - 長文失礼しました! (2020年5月6日 19時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - 前作からずっと読ませてもらってます!めっっっっっっっっっっっっっさ面白いです(*^^*)続編おめでとうございます!お身体に気をつけて更新頑張ってください(*´-`)応援しています! (2020年5月6日 19時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灰月葵 | 作成日時:2020年5月6日 18時