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攻略法68↓ ページ26

樹side


「失礼しました。」


そう言って私は職員室をでた。


廊下には壁にもたれかかった兄さん。


さすがアイドル綺麗だなあ。


そう見惚れていると兄さんは私を一瞥すると同時に歩き出す。


私はそんな兄さんの後ろにつく。



「…………………」

「っ…………」



私たちの間に会話なんてない。分かっていても少しだけ悲しい。


今日のレッスンで兄さんと少し話せたおかげで次も話せると思っていた私がバカだった。


で、でもやっぱり話したい…


私は勇気を振り絞って兄さんに声をかける。


「に、兄さん!」


「何?」


私の声に反応して兄さんは足をとめ振り返る。


「え……と。」


やばい、話しかけたのはいいものの何を話せばいいのかわからない。


「え…と。」


「………用がないなら話しかけないでくれる?」


兄さんは冷たい目で私を見ながらそういう。


「ご…ごめんなさい。」


私が謝ると兄さんは再び歩き出した。





私と兄さんの間にある溝は埋まることなく広がっていくのを改めて感じた。


**********


泉side


かさくんの提案(爆弾発言)によって俺はあいつと帰ることになった。


職員室からで出てきたあいつはいつ見ても何度見てもママとそっくりだった。


そんなあいつを俺は見たくなく歩き出す。


後ろから聞こえてくるのはあいつの足音だけ。







俺たちの間に会話なんてない。悲しいなんて思わない。


ずっと昔から俺たちはこうだから。




………俺がこうしたから。




そんな事を考えていると


「に、兄さん!!」


後から声がかかった。


俺は足を止め振り返る。


「何?」


いつも通りに冷たく接する。本音は心の中に隠す。


「え……と。」


あいつは話しかけてきたが話すことがないのか言葉をつまらせる。


「え…と。」


ママに似た顔で戸惑いながら俺を見る。


「………用がないなら話かけないでくれる?」


本当はそんなことは言いたくない。でも俺はあいつの顔なんて見たくない。


「ご…ごめんなさい。」


俯きながらそう言うあいつ。



本当はそんな顔させたくない、本当は避けたくない。


でも、どうしてもあいつを見ると死んだママを思い出す。それがどうしようもなく嫌で俺はあいつと距離をとった。



あいつは何にも悪くない。







ごめんね、樹。







俺と樹の間にある溝はもう埋まることはないだろう。









すまんせないず、許してくれ(>︿<。)

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灰月葵(プロフ) - 瀬永ゆうさん» ありがとうございます!!初めての作品なので喜んで貰えて嬉しいです。とても皆さんに早くお届けできるように頑張ります!! (2020年5月7日 12時) (レス) id: c25f3f3a69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - 長文失礼しました! (2020年5月6日 19時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)
瀬永ゆう(プロフ) - 前作からずっと読ませてもらってます!めっっっっっっっっっっっっっさ面白いです(*^^*)続編おめでとうございます!お身体に気をつけて更新頑張ってください(*´-`)応援しています! (2020年5月6日 19時) (レス) id: 4117ae44bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灰月葵 | 作成日時:2020年5月6日 18時

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