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A「…、よし！」
二宮先輩とのデート当日。
待ち合わせ場所は学校の最寄り駅。
既に15分前からスタンバってる。
服装はさんざん悩んだ挙げ句、ボーダーのワンピースにした。
初デートにショートパンツは気が引けて、
だからって女の子女の子したかわいらしい服装は、由美じゃないし似合わない。
行く場所はゲーセンだし、カジュアル要素も含ませようと思ったら…
結局ボーダー。
形は腰上での切り返しがあるから、形はかわいいし、スタイルはよく見える…はず。
あんまり二宮先輩と身長も変わらないし、あまり高いヒールは履きたくなかったから丁度いいと思ったけど…
、やっぱり初デートでボーダーはなかった！？
なんかすべてが不安になってくる。
服も、ネックレスも、髪型も…
A「はぁ…」
そうため息をついた時だった。
和「Aちゃん！」
耳に入ってきたのは、少し息を切らした二宮先輩の声。
A「、おはようございます！」
和「、ごめんね、待たせちゃった？」
A「いえっ、今来たところです！」
…やばい、この時点で泣きそう、
目の前に現れた二宮先輩は、ボーダーで胸の辺りに大きなマークがついてるTシャツに、お洒落なカーディガンを羽織ってた。
和「あ、お揃い(笑)」
A「、(笑)」
…お揃い、初めてのデートで、お揃い…
嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り混じって、息の仕方すら分からなくなった。
…どうしよう、変な汗がさっきからすごい、
二宮先輩から“お揃い”なんて笑ってくれるなんて…
和「じゃ、行こっか」
A「、はい！」
街までの切符を買って改札を抜けると、そこは初めて見る光景。
自転車通学のあたしにとって、ここは縁のない場所。
A「二宮先輩て、どこに住んでるんですか？」
和「家？」
A「由美がいつも乗り換えの駅で乗ってくるって」
和「あー。２つ向こうの駅？」
A「そうです」
和「…そこ乗り換えて、８つ目の駅…かな」
「そしたら結構遠いですね」
和「まぁね」
斜め後ろからの二宮先輩は、見てるだけでどきどきした。
ホームで黄色い線の前で律儀に立つのも初めて見る。
…あ、鼻触った。
癖なのかな、たまにやってるのみるけど。
それだけで、普段の二宮先輩をみれてる気がして勝手に口角があがる。
和「、どしたの(笑)」
A「え(笑)？」
*
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作者名：うさこ
| 作成日時：2015年12月15日 19時
