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…ほんと…なのかな、
…この人の言ってること、ほんとなのかな…
智「Aは彼氏いないんでしょ？」
A「…はい…」
智「ねぇ、敬語止めよ？壁あるじゃん」
A「…」
智「…俺、Aの彼氏になりたいんだけど」
、え！？
思いもかけない言葉に一瞬固まる。
、待って、だって今、まだ7時20分。
ここに来てからまだ20分…
智「俺、Aのこと好きになっちゃった」
A「…、」
智「嫌いじゃないなら、これから好きになるかもしんないじゃん？」
A「…」
智「好きになったら、ちゅーもできるねっ」
…分かった。
なんでこの人がこんなに空気を柔らかくする人なのか分かった。
子供と同じだ。
純粋にそう思ってて裏がないから。
全部が本心で、尚且つ言い方もすべてにトゲがないから、無茶苦茶なこと言ってるのにすっと心に入り込んでくるんだ…
A「…なんで…」
智「…ん？」
A「…なんで私…？」
智くんは芸能人。
私より可愛い人やきれいな人、たくさん見てきてるはずなのに、なんで私…
智「…好きに理由っている？」
A「…」
智「でも、強いて言えば纏う雰囲気…かなぁ」
纏う雰囲気…
…同じだ、私が智くんに感じてるのと…
智「雰囲気が好き。柔らかくて、包まれてるって感じ」
A「…」
智「きっと、次会ったらもっと好きになんだろーなって」
A「……」
智「次のこと考えたの、Aが初めてだったから(笑)」
次の…こと…
智くんが私との“次”を考えてくれてたってだけで嬉しくなった。
ドキドキして、胸が熱くなって…
…私も智くんのこと、好きかもしれないって…
じっと智くんを見つめてると、不意に目があった。
智「…ん？」
A「…」
智「、…そんな見ないで…」
A「、」
智「…我慢…出来なくなる…」
顔を逸らした智くんの横顔は、心なしか赤くなってる。
…てか、そんな顔ってどんな顔…？
…好きかもしれないって気持ちが、伝わっちゃった…？
そう思ったら、どきどきが止まらなかった。
どうしようって。
智くんが可愛すぎて。
唇を尖らせてるのが子供みたいで。
…私は、吸い寄せられるようにキスをした…
＊
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作者名：うさこ
| 作成日時：2015年12月8日 16時
