四神物語＊ars (ページ26)

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「………とりあえず潤くんには
なにも迷惑かけないようにするしかないね」

翔さんの言葉で俺ははっと我に返った。

そうだ。潤くんの記憶は
消さなくて済んだのだから。

今からまた幸せになろう。

そんな俺の考えは甘かった
って思い知らされるのはまだ後の話だけど。

「翔ちゃんの言う通りだよね！よし！じゃあ帰ろっ！早くしないと潤くん来ちゃうよ！」

相葉さんが勢いよく椅子から立ち上がって
あやうく転びそうになる。

「全く…気をつけてくださいよ」

「えへへ。ごめーん」

さっきまで考え事してたとは思えないほどの切り替えの早さだ。

まあ、そこがこの人の良いとこでも
あると思うけど。

三人で家に帰ると
既に玄関の前に潤くんがいて。

「ちょっと早く着いちゃって……」

と、はにかみながら言った。

照れくさそうに顔を赤くして言う潤くんが
とってもかわいくて。

やっぱり潤くんと一緒にいたいな
って気持ちを再確認した。

この笑顔をずっと守りたいってね。

そう思ったのは俺だけじゃないみたいで
相葉さんなんか既に「潤くんかわいいーっ」なんて言って抱きついてる。

翔さんもそれを見て穏やかに微笑んでて。
さっきまでの不安が嘘のように消えていくのを感じていた。