ご主人様の言う通り (ページ38)

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「翔くんなんかあった……？」

今日の翔くんは少しおかしい。

櫻井「……なんにも」

「…私でよかったら話聞くよ？」

櫻井「………何でそんなに優しくするの」

微かに、でもハッキリとそう言った。

・

「…翔くんがいっつも優しくしてくれるから」

櫻井「俺のどこが…」

「私がピンチの時、助けてくれるのは決まって翔くんだよ？」

櫻井「……それは」

「だから、す………」

“好きだから”

なんて言えない。

櫻井「す…？」

「…なんでもない…。あっほら雅紀立ったまま寝ちゃってるし、上に連れてくね！！ほら、雅紀行くよー！！」

わざとらしくそう言ってみる。

すると彼も、

櫻井「そ、そうだな！」

わざとらしく答える。

気まづい空気から逃げるように上に上がってきた。

「雅紀、着いたよ？」

相葉「ん……」

だめだ…完全に寝ちゃってる

「しょ！…」

ダメだ。今は呼んじゃいけない。

私が困った時助けてくれるのはいつも翔くん。

今度は私が助けなきゃ……

ﾊﾞﾀﾝ…

その時、隣のドアが開いた。

二宮「さっきからなに」

「あっ邪魔しちゃった…？」

二宮「別に。なに、相葉さん寝てんの」

「起きてくれないの…」

二宮「しゃーねーなー」

「ほれ」といって、私の体から雅紀を貰う。

二宮「開けて」

「なにを？」

二宮「扉」

「あっ、ああ」

二宮「おりこうさん」

その後は、和が雅紀をベットまで運んでくれて、一件略着。

「ありがとね」

二宮「いーえ」

「私、下降りるけど、和どーする？」

二宮「俺も降りる」

階段を降りる途中にお風呂からあがった智くんとすれ違って、「おやすみ」の一言だけ交わして、智くんは部屋へ入っていった。

翔くんは先にお風呂に入っていて、今は和と私だけ。

二宮「翔ちゃんとなんかあったの」

最近、和と話すことといえば決まって翔くんの話。

「…まぁ、、ね」

二宮「なに、相葉さんと手繋いでるとこ見られた？」

「なんで！？」

二宮「相葉さん声でけぇから上まで丸聞こえ」

「ごめん」

二宮「で、誤解は解けなかったわけね」

「…うん」

二宮「ま、それは気にすんな。俺が誤解解いといてやるから」

「ありがと…和も、意外といい人だよね」

二宮「意外ってなんだよ…(笑)」

「和がいてくれて良かったよ～」

二宮「…俺も」

翔くんと一緒。
微かに、でもハッキリ言ったその言葉は、私の心を激しく動かした。