ご主人様の言う通り (ページ39)

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「…へ？なに、あっご飯作ってくれるとかそんなこと？」

わざとらしく尋ねる。
私の心は激しく動いたまま

松本「ただいまー」

私の心を読んだかのように、珍しく大きな声で言う。

「潤くんおかえりー」

私も大きな声でそう返す。

松本「まだ部屋明るかったから、誰か起きてんのかな？って思って」

嬉しそうにそう答える彼は、もうすぐ30には見えない。

二宮「潤くんおかえり、モモ翔ちゃん出たら読んでー。ゲームしてくる」

「あっ、うん」

「居てくれないの？」って目で訴えてみるけど、こっちの彼ももうすぐ30には見えなくて、頭の中はもうゲームでいっぱい。

二宮「じゃ」

とだけ言って、部屋の中に消えてった。

「潤くんなんか食べた？」

松本「ううん」

「待ってね、すぐ用意する」

松本「ありがと」

私が料理してる間も

「モモはいい奥さんになるなー」と独り言を言ってる。
潤くんはよく独り言いうからね

「独り言でも嬉しいよ」

なんて返してみたけど、案の定「ん？」って顔してこっちを見てる。

潤くんのご飯が出来たのと同時に
「次どーぞー」って翔くんの声がお風呂場から聞こえる。

私は、なんとなく翔くんの顔を見れなかったから潤くんに「お風呂上がったら呼んでくれる？」とだけ伝えて、上へ上がる。

「和ー。お風呂空いたよ」

二宮「りょーかい」

部屋から出て、下に降りてく和を見送って、今度は私が部屋に入る。

ダンボールの荷物を最近整理し終わった部屋は、まだどこも散らかってなくて、変に落ち着かない。

ベットの上に座って大きなため息をつく。

「…なんか忙しい日だったな」

仕事が忙しいとか、そんな意味じゃない。
仕事じゃなくても、今日1日とくにすることも無かった。

忙しかったのは、私の心臓。

少し落ち着いていた私の心臓が、1日を振り返ると、また激しく動き出した。

…ﾊﾞﾀﾝ

皆に気を使って、静かにドアを閉める私の隣の部屋の人。

今気づいた。

私の隣に翔くんがいたこと。

それに気づいてしまった私の心は、今日1番激しく動いてた。