泣いてもいいよ ページ32
それでもやってくる恐怖、いくら頑張るって自分を励まして奮い立たせたって
結局は怖くなってしまうんだ
豊崎『今日は昨日とちょっと違う治療だから何かあったらすぐ言ってね』
『．．．』
豊崎『Aちゃん？』
『ん？先生いまなんか言った？聞いてなかったや．．．(笑)』
豊崎『今日の検査はやめにしよっか』
『え．．．？』
豊崎『別に急いでやらなきゃいけないものじゃないから心の整理が付いてからでもいいよ？』
『大丈夫、やるよ。ちょっと考え事してただけ』
豊崎『分かった。何かあったらすぐに言ってね』
『うん』
見慣れた検査室の天井
聞き慣れた機械音、先生の声、嗅ぎ慣れた消毒の匂いと冷たい腕
ふと自分が何もない健常者だったらって考えたら人とは違う身体に生まれてきたんだって思って悔しくなって涙が溢れた
私はみんなとは違う。みんなが笑って先生たちと遊んでる頃、私は１人病室で空を見てた
みんながお昼寝をしてる頃、私はやりたくもない検査や治療を毎日のようにやらされてた
誰が悪いって訳じゃないけどやっぱり子どもながらに寂しかった
みんなみたいに外で遊びまわりたかった
小学生になる頃にはもう諦めがついてたけどやっぱり幼い頃の悔しさは消えないまま
治療が終わって病室に戻る前に外に出た。夕方の風は心地よくって好き
帰りを急ぐ車の列、お母さんに手を引かれて歩く幼い子ども、話しながら歩く夫婦
みんな帰る場所がある
そんな光景を見ながらそれとは隔離された中庭側のベンチに腰掛けて帰っていく人々に背を向けた
もう暫く自分のベッドで寝てないな．．．
長引くなんて思ってなかったから荷物もお気に入りのものもほとんど置いてきちゃった
ちょっとでも家に帰れたらきっと気持ちもすっきりするんだろうけどな．．．
いまの自分の体調考えたらもちろん外出許可なんて貰えない
分かってるから余計に逃げ出したくなるんだけどね
だけどおにぃともノブくんとも約束したから約束は破りたくない
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玲(プロフ) - 大好きな小説なのでかけてほしくないです。 (2017年6月7日 1時) (
レス) id: 5f1a5cfb44 (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん(プロフ) - 私もログインできるかわからないです
なのでかけてほしくないです (2017年6月6日 21時) (携帯から) (レス) id: e1d834a5a6 (このIDを非表示/違反報告)
綾華(プロフ) - パスのヒントはくれると思うんですが、それを私がクリアできるとは思わないのでかけてほしくないです。 (2017年6月6日 20時) (レス) id: 8be24e18b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - とっても好きな小説なのでパスはかけてほしくないです。 (2017年6月6日 20時) (レス) id: 1b6b96d1b6 (このIDを非表示/違反報告)
あさ(プロフ) - 続きが見たいです。 (2017年5月4日 23時) (レス) id: f3fc70be44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのかず
| 作成日時：2017年4月4日 20時
