白銀の彼女は能力者〈stpr〉

21. 彼女の秘密 ページ23

莉犬 side





『さっきから何してるんですか、皆さん』


あっさりと王を殺したAちゃんが、振り向くことなく口を開く。


皆さん、とは言うまでもなく俺たちのことだろう。








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こ「え、なーくんの《隠蔽》が、」


な「うそ、」


絶句するメンバー。









『覗き見なんて趣味悪いですよ』


相変わらずの無表情で言葉を紡ぐ彼女。









さ「........なぁ」


そんな彼女を睨みつける彼、さとみ。







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さ「お前、何を隠してる？」


『別に何も隠してませんけど』


さ「んなわけねぇだろ！！」


唐突の大声に、るぅとくんやころんがビクッと肩を震わせる。









さ「なーくんの《隠蔽》を破ったこともそうだし、さっきの見たことない能力も！」


さ「お前、一体何者なんだよ.....？」


だんだんと弱々しくなるさとみの声と、苦しそうに歪めるその顔を見るAちゃんの瞳がわずかに揺れた気がした。








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『まだ.....まだ、貴方達には話せません』


俺たちと出会ってから、彼女が見せた初めての「迷い」の感情。








莉「………………」


きっとあの子にも、人には言えないくらいの深い悩みがあって。


だれかに頼りたくても頼れなくて。


結局なんにもできない、そんな自分に腹が立つ。


きっとそんな感じなんだろうなと、ふと考える。









仕方ないよ。俺だってそうだった。


否、すとぷりというもの自体が、人には言えない悩みを抱えた人たちの集まりだ。









強大な力を持つが故に、仲間がいなかった。


だから俺たちは、六人で集まった。









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…………ここで少し、俺たちが出会った頃の話をしようか。









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