白銀の彼女は能力者〈stpr〉 (ページ24)

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22. 赤　出会いページ24

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俺は犬の獣人だ。

もちろん、人の言葉を話すし、食事だって周りの人間と全く同じ。

違うことと言えば、耳と尻尾があるくらい。あと、若干普通の人間よりも身体能力が高い。

それだけ。ただ、それだけだ。

でもそれだけで、俺はいじめられた。

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俺は『普通』の人間にとって、『普通』ではなかったから。

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この世界には、『能力』というものが存在する。

例えば火を操ったり、何か違う人や生物に変化したりするというやつだ。

普通の人間でももちろん、能力を持つやつはたくさんいる。

けれど獣人は別格。普通の人間より強い能力を持っていたり、俗にいう《二個持ち》だったりするやつが多いのだ。

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普通の学校で虐められ、不登校気味になっていた俺を、両親は今の学院に入れた。

まるで口減らしのように、あっさりと寮に入る手続きまで済まされて。

俺は家を出ざるをえなかった。

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家でも、前の学校でも、俺の居場所はなくて、

新しく入ったこの学院でも、強すぎるが故に仲間ができなかった。

「あいつは強すぎて、一緒に任務なんか行ってくれなさそう」

「足引っ張ったらだめだしね」

「多分私たちのこと、心の中では弱い奴らだって馬鹿にしてるんだよ」

周りの子たちは次々にパーティーを結成していく。

俺は誰からも誘われないまま、取り残されていく。

一緒に組もうなんて誘える友達もいなかった。

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気づいたら、また独りになっていた。

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悲しい、苦しい、寂しい、………

そんな感情も、いつしかなくなって。

俺は、ただ任務をこなすだけのロボットのようになっていた。

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「ねぇ莉犬くん、君まだパーティー組んでないよね？」

─────俺と一緒にやってくれない？────

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