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残された山上は、「なんで私が」みたいな顔をしていた。
そんな山上の前に立った東条。
東条「明智に言っといてってなに」
山上「‥‥別に」
『私は悪くないの』
山上「‥‥」
『でしょ』
西園が山上の方を見向きもせずに言った。
山上は図星かのように目を逸らす。
山上「蘭ちゃん、あのね((『あのさぁ』‥‥な、に」
コツコツコツと足音をたて、山上の目の前に立ち止まった西園。
『気やすく名前で呼ばないで。
誰もあんたと仲良くなったつもりないんだけど』
山上「‥‥は、はぁ？応援してくれるってっ」
『それは上手く行ったらの話ね。
でも‥‥あんな優しい人、もてあそぶような性格ブスと明智は‥‥最初から上手く行くわけないってわかってたから』
山上「っ‥‥！」
光のない目で山上を睨み、低い声でそう捨て台詞を吐いて若林達のあとを追いかけて行った西園。
東条「‥‥あいつにバレたんだろ、やってること。
ダサ」
東条にもそう言われ、悔しそうに下唇を噛む山上。
自業自得だ。
東条「蘭」
『んー？』
東条「お前怖い事言うなぁ(笑)」
『東条こそ。“ダサ”って』
東条「え、なに。聞こえてた？」
『少しだけ』
東条「でも蘭が若林のこと“優しい人”って言うのなんか珍しいな」
『‥‥そんなこと言ってない』
東条「え！？」
『気のせいじゃない？』
東条「いや絶対聞こえた！言ってた！」
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年5月12日 14時
