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「わ・・、分かった。・・帰る。」
和也「・・・。」
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そう言って、鞄を片手に
足取り重く教室の出入り口まで進むと
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のろりのろりとカズにぃが私の横まで来て
私より先に教室を出る
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このまま、吉野先生と一緒に仲良く学校案内に行っちゃうんだとか思うと
また勝手にズキってして。
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このズキってヤツ、
意味不明。
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廊下のど真ん中に立ち止まったままのカズにぃの横を
俯いて、スーっと通り過ぎようとしたら
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不意に、
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和也「あーあ・・・、帰っちゃうんだ。」
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って、そんな事言うから、私の足がぴたりと止まった
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カズにぃの言葉はそのまま続く
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和也「せっかく、終わったら一緒に帰れると思ってたのにー。」
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和也「まあ・・、Aがイヤなんだから仕方ないよな。」
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ズルい
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そんな言い方ズルい
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もう帰ろうとしてるのに
ズルいじゃん
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そんなの
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そんな事・・・
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こんな状況で、そんな事言われたら・・もう
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「しょ・・しょうがないなぁ」
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カズにぃに顔は向けないで
壁に向かって声を出す
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和也「・・え？」
「・・そ、そんなに言うんだったら、」
和也「・・はい(笑)」
「い、・・い、一緒に行ってあげてもいいよ。」
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和也「・・はい？(笑)」
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カズにぃは
とことん意地悪だから
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私に直接分かりやすく言ったりしない
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絶対に私から折れるのを待ってる
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意地悪だから
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私のそんな言い方
通用しない。
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だから
カズにぃは
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ズルいの。
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「・・だから」
和也「うん。」
「い、・・一緒に行くって言ってんのｯ・・！」
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和也「・・はいはい(笑)」
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ニヤニヤしているカズにぃの顔なんて
絶対に見れないから
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だから
プイと顔を背けて
カズにぃの先をズカズカと歩いた。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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作成日時：2012年4月7日 12時
