最低で最悪で、最愛の彼女【宇井郡】

最低：最悪 ページ39

有馬「君達は馬鹿ですか」





あ「……すいませんね」


宇井「ご、め…んなさ、い」


あ「郡さん寝ないで」








あれから私たちは二人揃って寝てしまった



仕事も無断欠席、局では色んな問題が起きたという





そして暇だった有馬さんが安否確認と説教のためにうちに来たそうだ









机越しに正座して、正面に座る人間最強に怯える私




隣で寝そうな郡さん、てか寝てる






そしてその人間最強の隣の青い髪のツインテールの子








誰だお前と言いたいがぐっと押さえた









有馬「まったく、二人揃って仲良く無断欠席なんて心配になるでしょ




特にA、不登校なうえに未成年なんだからね」




あ「なにが言いたいんだよ」



宇井「……がっ」



あ「!?!?」









隣から謎の鳴き声が聞こえた



そちらを向けば、郡さんが首をカックンカックンさせながらよだれを垂らしているではないか




どんだけ眠いのさ









あ「こおっ、りさ…よだれ出てる…!!」



有馬「ははっ、まるで夫婦だね」



あ「取り消せ」







なぜよだれ出てるで夫婦になったんだ



とりあえず郡さんを横に寝かせ、仕方なく私一人で説教を受けた




郡さんあとでシバくぜ








有馬「まぁ今回はいいよ、Aもなんかあったみたいだしね」




あ「……はぁ」





そこで私はやっと聞く気になり、「そっちの子は？」と訊ねた



その瞬間、その子はビクッと肩を跳ね、ツインテールを揺らした





大きな目が私をしっかり捉えている








有馬「実質Aの後輩、アカデミー生で問題児、名前は米林才子」





才子「ど、ども…先輩」






私は少しムッとした



もしもこの人がレオの代わりとか言ってこの子を連れてきたとしたら本気で押し返すつもりだった




しかし、その女の子の口からでたのは意外な言葉だった









才子「あ、の私、先輩の話聞いて…」


あ「？」


才子「同じゲーム、やってて…あ、公式対戦いつも観てるんです!!」







ダンッと机を叩くと少し乗り上げてキラキラと輝く目線で私を見つめた




ちなみに公式対戦とはプレイヤー同士の同意のうえ、または大会の時のみ実況つきで生放送される戦闘形式だった





なんどか大会にも出てるし、観てると言われても不思議だとは思えない









才子「是非!!お友だちに!!」



あ「あ、はぁ……」







その子に私は、レオとは違うなにかを感じていた

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