最低で最悪で、最愛の彼女【宇井郡】

最低：最悪 ページ34

いつのまにか、私は寝ていたらしい








目が覚めたとき、閉まりっぱなしだったカーテンの隙間から、ざぁざぁと音がしていた









(……雨、か)









ふと時計に目をやると









『１１時』









あ「……ってどんだけ寝てんのよ私」









さすがに体を起こしてみたが、どうもまだ疲れているようだった








そりゃそうだ、なんも食べてないし、今の時間以外寝てないし









おそるおそるリビングへ出てみる









しかし、玄関の電気がついているだけで、それ以外はまるで誰もいないようだった









リビングの窓から、さっきよりも強い雨音がしていた







そう言えば、朝の天気予報でも言ってたな









雨降るって









あ「……郡さーん…？」








しんと静まり返った部屋







仕事にしては遅すぎる、なんか事故でも









……飲み会…？









あ「アイツ…私のこと置いてどこ行きやがった」









もしかしたらケータイに連絡が入ってるかもしれない






そう思って、ケータイを見てみた









しかしなにも入っていない









職場の飲み会ならついてったことある、何回も






てか、酔いつぶれた郡さんを何度も迎えにいってる









場所が合ってるならそこだろうけど









……いや、迎えにいくことないだろう、別に連絡ないんだし









そこでとりあえず確認と言う内容で玄関へ出向く








案の定、郡さんの傘が傘立てに刺さっていた









あ「天気予報見てないのかよ…」







若干面倒だとも思ったが、風邪を引かれた方が面倒だ





半分仕方なしに、私は着替え始めた

最低：最悪→←最低：最悪

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す