最低で最悪で、最愛の彼女【宇井郡】

最低：最悪 ページ30

宇井side





宇井「……はぁ」







なんとか本当のことを伝えることはできた





しかし、Aは相当ショックを受けていた








そのせいで、朝も部屋から出てこなかった









仕方なく、私一人で出勤し、隣の空いたデスクに座った









篠原「……Aは休み？」




宇井「はい…」









篠原特等はそうか、と言ってまたどこかへ行かれた







……話さない方が良かったかな









今さらになって後悔する









彼は仮にも、Aの友達だった






そんな人が、もし喰種だったら









私なら、耐えられただろうか









『そんなこと、知りたくなかった』









Aが昨日放った言葉がリピートされる






表情は分からなかったが、苦しそうな声だった









宇井「……仕事仕事」







自分に言い聞かせ、パソコンを開く




とりあえず、始末書を書かないと









複雑な心境とは裏腹に、キーボードに触れる指はいつも通りに液晶に文字を連ねていく









『高峰レオ、喰種：ブラックバード





20xx年駆逐完了、資料は添付通り』








赫子痕を照合し、以前の捕食事件と一致すれば彼はブラックバードど断定され、









『使用許可』が降りる









所有権は私にあるが、もしかしたらAに移る可能性もある






事実、討伐したのは私だが、そこまでの経緯を辿れば大きく貢献したのはAだと言える









宇井「……難しいな」









自分の知り合いをクインケとして見るって






辛いんだろうか。

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