最低で最悪で、最愛の彼女【宇井郡】

最低：最悪 ページ29

あ「……は？」







私の口から漏れた声は、それだけだった









宇井「彼はもう死んだ」









宇井さんはいつもと変わらない表情でそう言った





私はそれがにわかにも信じられなかった









あ「なに言ってんの…レオが、喰種？





冗談だったら笑えないよ」







私はわざと笑顔を作る




しかし、顔がひきつってうまく笑えない









宇井「冗談じゃない…彼は、調査中だったブラックバード、間違いなく喰種だ」









私はハッとした






『俺？六区だけど』






レオが住んでるのは六区、ブラックバードの滞在区も六区









でも、それだけじゃ断定できないはずだ









宇井「……ずっと前の不正アクセス…あのときのアカウントから彼の個人データを拾った」







あ「……ま、さか」








宇井「彼は顔が割れてた、私は初めて会ったときに気付いてたんだ」









怖かった








レオは、半分、いや







完全に私のせいで死んだのだ









私があのとき、アイツのアカウントを壊さなかったら





家に連れてこなかったら









レオは死ななかった









私が、ブラックバードのことを調べなかったら




レオの住んでるところ聞かなかったら









そう思うと、自分は彼に恨まれてるんじゃと怖くなった








どうしようもなく、悲しくなった

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