29食目 ページ30
それから私は、月山家に引き取られた
でも、なにかが変わるわけでもなく
おとうさまとおかあさまの
代わりがあるわけでもない
あ「ふっ…ぐ」
泣いても、泣いても、泣いても…
誰かが、この苦しみを代わってくれるわけでもない
変えてくれるわけでもない
私は、ひとりぼっちだ
あ「なんでわたしだけ…おいてくの…?
さみしいよぉ…いやだよぉ…」
「おや?なにを泣いているんだい?」
顔を上げると
紫髪の、青年が立っていた
あ「だれ……?」
月「そうか、君が新しい使用人か…
叶に続き、また若い喰種だね…
僕は月山習、君の主となるものだ」
あ「あるじ…?」
月「ちょうどいい、君に見せたいものがある
ついておいで」
言われるまま、ついていった先には
あ「きれー…」
たくさんの花が咲き誇る、
夢の国のような場所だった
月「ここは月山家の庭さ、何種類もの植物が生きているんだ」
あ「ちょうちょ!!」
そこには一匹のちょうがいた
そのちょうは、黄色い花にとまった
私は駆け寄り、しゃがんでみる
あ「うわー…」
近くで見ると、羽の細かな模様まではっきりとうかがえる
月「その花は『マリーゴールド』」
あ「まりーごーるど?」
月「あぁ…花言葉は…
『別れの悲しみ』」
あ「……わかれの…かなしみ…」
今の私みたいだ、
子供ながらにそう感じていた
月「しかし、こうもある
『変わらない愛』
『悪を挫く』
『生命の輝き』」
あ「……」
月「君は両親を亡くしたんだろう?
でも、考えてごらん
亡くなった両親は、君が泣く姿を見たいと思うかい?」
おとうさまと、おかあさまが……
私の泣いているところを…どう思うか?
あ「……みたくないとおもう」
月「そうだ、なら君も泣くのはおよし
古くから蝶は人の魂が乗り移ると言う
君の両親は、君の幸せを望んでいるはずだ」
黄色いマリーゴールドにとまった
キレイなちょうちょ
『A、もう泣かないで』
そんな声が聞こえた気がして
あ「うんっ、私なかないよ!!」
自然と、笑顔になれた
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結輝 - 超感動して涙止まらない(T□T)月山さんイケメンすぎる。すごく良かったです! (2016年7月27日 12時) (レス) id: 8839edb56f (このIDを非表示/違反報告)
裕璃氷@CL(プロフ) - 習叶大好き@うさみさん» ありがとうございます!!習叶いいですよね分かりますよとととても分かりますようへへへへ(( (2016年2月17日 21時) (レス) id: aae3b068fb (このIDを非表示/違反報告)
習叶大好き@うさみ - 月山&叶が大大大好きです!!凄く面白かったですよ!! (2016年2月15日 17時) (レス) id: ca7b65f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
裕璃氷@CL(プロフ) - *みー*@ノリさん» ありがとうございます!!そうなんです叶くん大好きなんです!!可愛すぎて辛いです(( (2015年10月11日 21時) (レス) id: aae3b068fb (このIDを非表示/違反報告)
*みー*@ノリ(プロフ) - 裕璃氷さん、叶が好きなんですか?!私もです!そして、とても良かったです! (2015年10月11日 16時) (レス) id: 3ec85c0893 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕璃氷 | 作成日時:2015年6月8日 22時