＜完＞天才と不幸少女【有馬貴将】

二十五撃目 ページ26

あ「……いない」


有「鈴屋ー」




どこもかしこも探し回って




かれこれ二時間が経過した






あ「ほんっとに、どこに行ったんですかね」


有「でもあいつらしいよな、自由奔放っていうか」




確かに…





でも奔放過ぎるのも困るんだよなぁ







こういうときに喰種が出てきたら、什造くん喜びそう







……怪我してないといいけど





お腹すいてないかな…意外と泣いてたり…






まさか…!!






沖縄まで行ってたり…はないか






あ「早く見つけないと…」



有「……A」


あ「はい？」


有「あれ、鈴屋じゃ…」




有馬さんの指差す先には…





白髪の、見たことのある縫い目の子






あ「什造くん…!!」






しかし、声に気づかず、走っていく





あ「有馬さん!!追いますよ!!」


有「はいはい」





私たいもそのあとを追うように走る





だんだん周りは人が少なくなり




ついには誰もいないような場所に来てしまった








什造くん…足はや…!!



追い付けない…




有「……ここって」


あ「え？」


有「喰種出没地区だよね」






有馬さんがそう言ったときには




什造くんは、曲がり角を曲がっていた

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