海のスペシャリスト ページ3
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「君の異能力がこの事件に相応しいと考えられてね！まぁ僕の推理に助手なんて必要ないんだけれど。」
「そうなのですか！では、お供致します！」
異能力から、私が適任だと考えられたそうだ。
私は海のスペシャリストだとでも思われているのだろうか。
「そうだ。異能力から立河が適任だと抜擢した。慣れない現場だと思うが、海は立河の得意分野だろう？」
「確かによく海へ出掛けますが、決して私は海が好きなのではありませんよ？」
「なっ、そうなのか？」
驚いてずれた眼鏡を直す国木田さん。
そんなに驚くことでも無いと思うが。
「異能力といい、週末の行動といい、立河は海を好んでいるとばかり思っていた。済まなかったな。」
「いいえ、謝ることではありませんよ！
私は入社したばかりの新参者ですから、知らないのは当然です！」
そうだ。私はこの、武装探偵社へやってきてまだ三月も経たない程の新参者。
知らないこともあるし、知られていないことだって勿論沢山ある。
これから知っていきたいことが沢山ある。
知られたくないことも、沢山ある。
「では、列車の時刻までまだ余りがありますから、もう少し準備をして向かいましょうか！」
「ああ、宜しく頼む。」
国木田さんに頭を下げて、準備を進める。
外出用の小さい手提げに手帳と携帯、カメラ、ポーチを入れて、腕時計のベルトを締め直した。
朝着けた髪留めを取って、つけ直す。
「あ、Aちゃん、私があげたそれ、ちゃんと使ってくれているのだね。」
「勿論です！太宰さんが態々購ってきてくれたものですから！綺麗ですよね、このチャーム。」
ゴムについた丸いそれを指していう。
透明の硝子の中には青色のチップや真珠のようなビーズ、キラキラのラメが入っていて、いつも見蕩れてしまう。
海みたいなそれは綺麗な硝子玉で、脆くてあまりつつくと壊れてしまいそうだ。
海のように儚いのだ。
この髪留めも、身につけたシャツも、ネクタイも、ボトムスも、全て探偵社の方からいただいたもの。
何故こんなに身につけるものばかり頂いたかというと、理由は初めて皆さんと顔を合わせたときの私にあった。
私はぼろぼろで薄汚れていて、草臥れていた。
唯一つ、笑顔だけが、新しく輝いていたものだった。
そんな私を見兼ねてか、皆さんが沢山のものを新調してくれたのだ。
太宰さんに連れられた時は、こうなるとは思わなかった。
だって、こんなにちゃらんぽらんな人なのに。
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はづ星咲(プロフ) - よっしー3号さん» はじめまして、コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しい限りです。 太宰さんの一人称の件、大変失礼致しました！先程修正して参りました。こちらが人物の一人称や人物同士の呼び方などを把握できておらず…。これからもご指摘頂けますと幸いです。 (2017年5月28日 10時) (
レス) id: 57d4552860 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー3号(プロフ) - とっても面白い話ですね！ ……一寸云いにくいのですが、太宰さんの一人称は『僕』じゃなくて『私』ですよ？ ……ってあぁぁ、上から目線過ぎましたすみませんっ！ これからも更新頑張って下さい！ (2017年5月27日 22時) (レス) id: 669979a4ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はづ星咲 | 作成日時：2017年5月26日 19時
