礼儀と約束 ページ28
『あの、』
そう言っているけれど、今も彼は腕をつかんでいる。
「あ、ごめんなさい。」
そう言って離してくれた。
「俺...、」
何か言いたげに私を見る。
『え?』
「...いや、すみません。」
彼はそう言って黙ってしまった。
『じゃあ...。』
「ありがとうございました。」
いつもより小さい声でお礼を言った彼。
私は彼のことを知っている気がした。
「...大丈夫ですか。」
外に出ると清川さんが待っていた。
『...はい。』
見られてたんだ。
10分くらいいたからもう帰っていると思ったのに。
「この間はごめんなさい。」
『え?』
「...俺結構ひどいこと言ったので。」
『あ...いや、大丈夫です。』
動画ではあんなにあっけらかんとしているのに、現実ではやっぱり義理堅い。
『じゃあ私はこれで、』
そう言って立ち去ろうとする。
「あの!」
少し歩いたところで呼び止められる。
「今日からまた、Aさんの事、家まで送らせてください。」
『...。』
急に何かと思ったらそんな事。
『...いいですよ。』
そう言って私は笑った。
「...じゃあ俺はここで。」
『ありがとうございました。』
マンションの前まで送ってくれた後、清川さんは帰っていった。
清川さんと元に戻れたし、良かったかも。
...某人狼もまたできることもできたし。
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ココア好きな人 - ふみさん» ありがとうございます。ぜひこれからも読んでくれると嬉しいです。 (2021年2月17日 22時) (レス) id: 6c1b48cd39 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!2人の恋が叶うと嬉しいです! (2021年2月15日 1時) (レス) id: 1952f281b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ココア好きな人 | 作成日時:2021年1月28日 22時