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セトマリ / ずっとこのまま 、 ページ7

ライラック / 思い出 、友情 、謙虚

花びらは4枚ですが、5枚になっている花を見つけて黙って飲み込むと、愛する人と永遠に過ごせるという言い伝えがあります。




今日はどうやら天気が悪いようで 、外では小雨が降っていた 。己は自室にこもり 、内職をこなしていた 。リビングは空っぽで 、それぞれが出掛けていたので 、実質 アジト 内には己ひとりだった 。

「 .、」

少しの間 、手を休める 。刹那 、遠くから玄関の扉が開く音が聞こえ 、同時に彼の声も聞こえた 。

「 ただいまっす ー ! 」

セト だ 、と小さく呟けば 、編み物を切り上げ自室を飛び出し 、玄関へと向かって 。

「 セト 、おかえりなさい 。早かったね .! 」
「 店長に用事があるらしくて 、今日はもう閉店になったんすよ 。.. あ 、これ 。店長がくれたんす 」

靴を脱ぎ 、ソファー に腰を下ろせば隣に座る 。上記の言葉を述べれば 、彼は綺麗な花を取り出した 。それを受け取れば 、くしゃり 、と笑って彼がこたえる 。この花の名前は 、ライラック というらしい 。

「 それ 、珍しいやつなんすよ ? 普通は花弁が4枚なんすけど 、5枚になってて 。あ 、それを飲み込むと 、愛する人 ? と永遠に過ごせるとか言っていたような .。まぁ 、言い伝えっすからねえ 、」

そう零すと彼は立ち上がり 、水を飲みに行ってしまう 。ソファー に一人 、先程彼が言った言葉を小さく復唱していた 。



己がずっと前から願っていた事 。自らに課せられた運命 、不老不死の重さ故に感じていた 、痛み 。これを 、食べたら 。嬉しさと同時に 、極度な不安を覚えた 。でも己は 、今はこれに縋ることしか出来なくて 。将来を誓ったら 、また悲しくなって 、心配をかけてしまうかもしれない 。それは嫌だ 。



うん 、と零して一人頷けば 、花をそっと持ち出して彼の向かった後を追う 。花瓶を手にし 、水を入れると 、

「 どうっすか ? 」
「 えへへ 、綺麗だね 。」
「 そうっすねえ .. 」

その花は結局 、玄関に飾ることになった 。花を食べたところで 、結末はきっと同じになるだろう 。だから 、今を精一杯生きていたい 。彼の隣で 。そう誓うことにした 。



大切な仲間と愛する彼を目前に 、大切に生きた少女の話

遥伸 / まだ 、→←エネ / 忘れないよ



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作者名: | 作成日時:2018年9月24日 2時

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