【カゲプロ】綺麗な花には棘がある【花言葉】 (ページ4)

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番外編 / 黒い悪魔は物憂げに . ページ4

女王、ﾏﾘｰ、黒ｺﾉﾊ

目の前に拡がる、赤く染った底なし沼の様な、どろどろと混ざり合う血の海。
辺り一面の花畑だった。綺麗な、胡蝶蘭が咲いていたんだ。
全身を血塗れにして、醜くせせら笑う彼女は、足元に咲く小さなその一輪の花を千切り＿

「ｯｯだめ、っ !!! 」

途端、視界がぐら、と歪む。
微かに開いた彼女の口から、言葉が漏れた。

「あんたの彼氏、＿＿もｰらｯた。」

意識が、遠のいてゆく。

＊＊＊

今日は、快晴だった。
申し分のない蒼さに染められた空に包まれて、仰いでいた。
何もかもが素敵に見えたあの頃の景色は、欠片も残っていない。
口角を上げる。口許が歪み、もう上手く笑えなくなっていた。

「、女王」

なんでかなぁ。そんな事考えたところでもう遅すぎた。
ﾀｲﾑﾘﾐｯﾄは、刻一刻と迫っており。
足元ではもう、勿忘草が咲いていて。
小さな春の訪れを告げていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

昔書いたものをｱﾚﾝｼﾞしたやつです !