シンタロー / 今でも君を 、 ページ3
薺 / あなたに私の全てを捧げる
拝啓
今日はどうやら雨のようで 、天気が 、空気が沈んでいた 。それと同時に気分も重く 、どうもやるせない 。こんな気分になるのは 、今日が雨だからという理由だけではないと分かっていて 、勘違いさせた 。自分自身に対して 。
大きく息を吐く 。自室の カーテン は相変わらず閉じられて 、独りの世界を誇張させた 。
部屋着のままで 、徐ろオモムロに ハサミ に手を掛ける 。
「 なぁ 、エネ 」
「 何ですか 、.. _ご主人 ? 」
パソコン 内を浮遊する其奴は 、己を見ると顔を歪めて問いかけた 。そんな非道い顔してたかな 、なんて自嘲気味に乾いた笑いを零す 。
「 あの .. どうしたんですか ?? 」
「 どうしたも何も 、俺はいつもと変わんねえよ 」
まぁ 、今日だけは 、違うか 。
ハサミ を両手に持ち 、首にあてがった 。
「 急所に刺すと 、直ぐ死ぬんだとよ 」
「 ご 、ご主人 !!? 自分から命を絶とうって言うんですか !? 馬鹿なんですか ! 」
彼女を一瞥した 。画面に張り付きぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた彼女は懸命に話しかけるも 、己には何も聞こえなくて 。雑音に紛れた 。
「 それじゃあな 、エネ 」
***
_どこから話そうか 。じゃあ 、結論から言うと 、まァ 、失敗に終わった 。気づけば 、病院の天井を見上げていた 。ベッドの脇で声を上げて泣いていた母親が見えた 。
「 ..また 、駄目だったか 」
君が 、遠ざかる 。
どうか 、夢の中だけでも 、彼奴に会いたくて 。お願いだ 、どうか 。
これ以上俺を置いていかないでくれよ 。
君のところへ行けるなら 、こんな命惜しくはないんだ 。
敬具
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作者名:映 | 作成日時:2018年9月24日 2時