156話 贈りもの ページ39
◆
「モルちゃんこれとか似合いそう!」
「そうでしょうか、私はそういったものを身につけませんからなんとも…」
「そんな事言わないで勿体ないよ!謝肉祭の時すっごく可愛かったのに…あ!これ私買ってこうかな」
「あのー…大変お待たせしてすみません」
『ああほら!早く集合!』
店に来てから30分はたった頃。工房からやっと職人が戻って来た。それに気づいた2人は、物色をやめてカウンターに帰ってくる。
そんな約1名の自由さに出かけるため息。一応は堪えたつもりだったが、エマがちゃっかりカウンターにリングを
…一応は仕事中だってこと忘れてるわね。
「お待たせしてしまい大変なすみませんでした、こちらがご注文頂いた品になります」
コトッとカウンターに置かれたのは、白髭を蓄えた老人には若干の不釣り合いを覚える綺麗に装飾された小箱だった。
「会計は?」職人に聞かれる。
『王につけておいて。あ、このリングは別で』
「かしこまりました、ではこちらにサインを」
面倒な手続きは付き添いのエマにさせている間に、私はカウンターの小箱をモルジアナに渡した。彼女が息を飲んだのが分かる。
聞いた話、眷属になる為の金属として彼女は自分の足枷だった物を選んだらしい。そんな足枷が生まれ変わって今、この箱の中に入っている。まだ開けてもいないのに目の奥を輝かせいる彼女に、職人は優しく笑いかける。
「模様には特に拘らせて頂き、暗黒大陸で信仰されている太陽の象徴である"火の鳥"をモチーフに致しました。
今しがた時間を取らせて頂いたのは、僭越ながらお嬢さんの瞳の色を見て同じくらいに深いレッドの石に急遽変更させて頂いた次第です」
「っ、ありがとうございます!」
『すごいわねぇ』
「開けてみます」
そう言って箱を開けようとしたモルジアナの手を、私はそっと止めた。多分職人が急遽選んだ宝石はレッドエメラルドね、丸く開いた深い赤の瞳を見てそんな事を考えながら、私は口を開く。
『びっくりさせるつもりじゃなくてさ、私より先に見せる相手がいるんじゃないのって思っただけよ』
「!アリババさんと、アラジン…!」
『そ。モルジアナのそれ、楽しみにしてんでしょ?早く見せてあげたら?』
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むす(プロフ) - 彩覇さん» 一気にですか…!?すごい量ですよね?ハマってもらえて嬉しいです、ありがとうございます!笑 これからも頑張りますね、彩覇さんも気詰めない程度にたまには休憩なさって下さい、応援しています笑 良いお年を! (2016年12月29日 17時) (レス) id: af8ca94d98 (このIDを非表示/違反報告)
彩覇 - 初めてまして、彩覇です。受験生なのに今日、この外交長官殿シリーズを一気読みしたバカです…。すごい良い作品で夢中になってしまいました!続編も期待してます!良いお年を!! (2016年12月29日 16時) (レス) id: 17626c4f76 (このIDを非表示/違反報告)
むす(プロフ) - けーじろーさん» ですよね!私も褒めてもらいたいです、貴重な意見をどうもありがとうございました笑 これからもよろしくおねがいします、では良いお年を! (2016年12月28日 23時) (レス) id: af8ca94d98 (このIDを非表示/違反報告)
けーじろー(プロフ) - 2がいいです!ジャーファルさんに褒めてもらいたい…♪←いつも更新お疲れ様です!これからも応援してます♪よいお年を! (2016年12月28日 9時) (レス) id: 3429c2729d (このIDを非表示/違反報告)
むす(プロフ) - どなさん» ですね、余り楽しい感じでは無さそうな…!波乱の予感がする5ですがどう転ぶか、見守ってあげてください。では、良いお年を! (2016年12月27日 20時) (レス) id: af8ca94d98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むす | 作成日時:2016年7月23日 8時