【歌い手】フラジール【そらる】【luz】

4話 カノジョ ページ5

「何で泣いてんの？」


低くでも落ち着いた声

そこには少し怒りも混じってるように聞こえた


それでも私はほんの嬉しさと温かさを感じた


『そらるさ____』

る「良かったね、行っておいで？」


口を開いたのはさも来ることを分かっていたようなるすくんで、そらるさんにﾆｺﾆｺと笑顔を向けていた


『っ____！？』


そらるさんは私の手を引っ張って私を立たせるなり、抱きしめた



そ「____俺の彼女だから」


いくぞ、そう言われて私はそらるさんについて行った

『……』

後ろを振り向いてるすくんを見ると、ヒラヒラと手を振っていた

″ごめんね″

そう口パクで伝えて、ひとまず店を出た


_______


そらるside


数十分前


用事が済、不意に携帯からバイブ音が鳴った



るす : そらるさんがいらないなら取っちゃうよ？


「____！！」


キョロキョロと辺りを見渡すと、カフェテリアにいた二人の姿が目に入る

Aとるすがいた


____まさか、



一目散にそのカフェに駆けつけて、今に至る


今だ顔を合わそうとしないAを無理やり両手で目を合わせる


「……なんで泣いてたの？」

『っ、そらっ、るっ、……さん、がっ…』

「うん」

『ほかっの、……女の人とっ…』


ボロボロと泣く姿は愛おしくてずっと見ていたいくらいなんだけど、多分それは…


「A、勘違いしてる。ナンパされてて苛立ったから、首元掴んで言ってやっただけ」

『……へっ？』

「俺Aしか興味無いし」

俯いて唸った後、頬を赤らめながら涙目でしかも上目遣いで

『っっ〜！！……ごめんなさい』


なんて言うから



「可愛すぎ____」





その柔らかい唇にキスをした

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