探索・・・1 ページ23
「すみません。お待たせしました跡部さん」
跡部「あぁ。…ってお前その荷物はなんだ。登山か」
「野宿するんじゃないんですか」
跡部「アーン?2時間の探索で何を考えてるんだお前は」
「戻してきます」
急いで部屋に戻って必要最低限の物だけ持って跡部さんの元へ戻る
アドベンチャーゲームをして居たため、冒険みたい2日間くらいかけて探索をするのだと思っていた私は拍子抜けしてしまった。
憧れていたのに。
「今度こそお待たせしました」
跡部「あぁ。……日焼け止めどんだけ持ってきてんだ」
「日焼けは女の敵です。これだけは譲れません」
跡部「まぁいい、行くぞ」
そう言って跡部さんは森の方に歩き出す。
私は跡部さんの後ろを静かについていく。
片手で口元を隠して跡部さんは震えていたが、荷物の事を怒っているのかな。
(※注意)笑いを堪えているだけです。
「あ、跡部さんリス!リスいます」
跡部「アーン?どこだ?」
「そっちじゃないですあっちです」
跡部「そっちやあっちで分かるかよ」
「あっちです」
グリッ
跡部さんの頭を両手で掴みリスがいる方向に思い切り曲げる
跡部「グッ…おい、いてぇじゃねえかA…」
「すみません、首の可動域忘れていました」
跡部「いつもは張り詰めた雰囲気してんのに、今は大丈夫なのか」
「リス行っちゃいました。」
跡部「聞いちゃいねぇな…」
「?、どうかしましたか?」
少し無言になってしばらく歩くと、跡部さんがまた口を開いた。
跡部「ペース少し早いか?」
「全然大丈夫です」
跡部「ずっと後ろを歩いてるからついていけないのかと思ったぞ」
「いえ、下僕感がある方がいいのかと思いまして」
跡部「何言ってんだお前は…普通に隣に来い」
「?はい」
小走りで隣に行くと跡部さんはご満悦そうな笑みを浮かべ歩く方向を向き直す。
跡部さんて1人が好きそうに見えるけど、実は誰かの隣を歩いていたい派の寂しがり屋?
いやいや、跡部さんだ。それはない。
跡部「お前、今俺様に対してすげぇ失礼な事思ってるだろ」
「跡部さんは跡部さんです」
跡部「否定しろよ」
跡部さんはフッと笑いながら私を見る。
何か言おうとしていたのを察し、私も跡部さんを見返す。
跡部「俺様の首を無理矢理曲げた女子はお前が初めてだ」
「東京にリスいませんからね。」
跡部「そうじゃねえだろ。」
リスを見せたいが為に人の首を曲げる行為は良くないと、強く感じた。
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作者名:あぽろろろろろ | 作成日時:2020年12月2日 3時