小さなメモ【切原赤也side】 ページ21
赤也「わ、わわ、わりぃ!!///」
俺は勢いよく後ろに後ずさりする。
アニメとか漫画である様な、あのシーンと変わりないくらい勢いよく
それもそのはず、目覚めてみると俺の手はAの足の上にあり、Aの手は俺の頭の上にあり、そして何より…近い。
自分でも分かるくらい、俺の顔は赤くなっていたと思う。とてもかっこ悪い。
「真田さん来てないけどそんなに焦る?」
赤也「そういうことじゃねぇよ」
あーダメだこいつ無自覚なタイプだ。
男子と上手く距離感取れないタイプのやつ。
知らず知らずのうちに絶対何人かの男子は惑わされているはず。ご愁傷さま。
用があって来たんじゃないの?と聞かれたが、話したくて来た何て言えるはずもなく、なんもねえと誤魔化してしまった。
頭の上に?マークが浮かんでいたAがハッと何かを思い出したように、渡したい物があったんだ!と言い出す。
渡されたのは折り畳まれた小さいメモ用紙。
なるべく誰にも見られないように、という事らしい。
今見ていいものか分からず静かにポケットに入れる。
が、何か気になるのは止められない。
赤也「これなn」
?「随分楽しそうじゃねぇか切原」
メモの正体を聞く前に遮られてしまった。
氷帝の部長だ。
いつも圧は強めなのだが、いつもより更に強い。そして重い。
跡部「アーン?お前山側だろ、何で海側にいるんだ?」
急に現れた事もあり焦りすぎて言葉が出ない。何か言い訳考えねぇと真田副部長にちくられちまうじゃねえか。
「私が具合悪そうにうずくまってた所切原君が声かけてくれたんですよ」
氷帝の跡部はフッと笑い真田副部長が俺を探していたから早く戻れと告げた。
見逃してくれる雰囲気にはなったが、俺に対しての慈悲ではない。恐らくAが俺を庇っているのを知っているからだ。
不服だが説教されるのも嫌な為、大人しく山側に戻る。少し離れてから跡部が探索を手伝えとAを誘っている声が聞こえた。
なるほど、オキニって訳な。
さっき貰ったメモの存在を思い出し、少し周りを見てからメモを開く、書かれていたのは最初に話したゲームのフレンドIDだった。
めちゃくちゃ嬉しいけどよ…
赤也「このシチュエーションじゃ連絡先だろ…」
勝手に高望みして勝手にショックを受けたが、嬉しいという事に変わりはない。後で申請しておこう。
複雑な気持ちを抱えた裏に、跡部とAの探索の事が更に俺の頭をかき混ぜていた____
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作者名:あぽろろろろろ | 作成日時:2020年12月2日 3時