4. ページ4
…
野球ボールと類似された私は喜ぶべきか、憤怒するべきか。きっと、一生この答えは出ない。というか、その答えよりも私は知りたいのだ。
『(この状況……どう打破する……!!?)』
頭を掴まれて早2分。大きな手を離してくれる気配はない。
というか、他人に2分も頭を掴まれることなんてあるのだろうか。そもそも頭を掴まれて「野球ボール?」と比喩されることなんてあるのだろうか。
「なぁ、お前名前なんつーの?」
頭をぐりんぐりんと回されながら問われた。
『え、丸内A…………あ"、』
頭を回されて思考がにぶったのか、素直に名前を出してしまった。どうにもこうにもこのペラペラな口は私の味方をしようとしない。
「ばはっ、名前までボールじゃん」と今度は反対回しに弄ばれる頭で必死に逃げる方法を模索していた。というか名前までボールじゃんってどんな感性をしているんだコイツ。
「あ、あのっ、助けていただいてどうもありがとうございました」
とりあえず、お礼を言ってみる。お礼を言ってキレる様な反人間性を持つ者ならば即刻金的を蹴って逃げようと思ったからだ。
こんな人でも一応助けてくれた恩人なので、初っ端金的という力技には出たくない。
「別にいーぜ?アイツら俺が居ねぇうちにダチ殴ったみてぇでよ、お礼参りしようとしてたとこなんだワ」
お礼を言ってキレるやつというよりは違う意味でお礼返しをしてくる方だった。正直お礼をしたことに昇天しそうになっている。
『そ、そうなんですね。それはちょうど良かったんですね。(?)
それで、あの……頭、離してもらってもいいですか??』
次に、逃走経路を図ることにした。そのためには頭を離してもらわねばならない。正直自分でも何を言っているのかわからない。
「んー……、却下♡」
ここまで可愛らしくない「却下♡」は初めて聞いた。可愛らしい却下というのもよくわからないが。
理由はなぜと聞こうと思った。が、どうやら私の念が伝わったようで、自ら語ってくれた。
「フィット感がいいわ、お前の頭。このまま投げれそうじゃね?」
手に収まる感じとかどうとかこうとか言っているが、私の頭には一切入ってこない。
『(わたし…………投げられるの…………????)』
やりかねないと思った。
130人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
引きこもり隊 - 面白い!人の話を聞かない半間。。。 (2022年3月27日 20時) (レス) @page5 id: 553232132b (このIDを非表示/違反報告)
なこそ(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!これからもお楽しみいただけるよう頑張りますm(_ _)m (2022年3月24日 6時) (レス) id: ce0520376b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ面白いです。応援してます (2022年3月24日 3時) (レス) @page5 id: 220ab80aca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なこそ | 作成日時:2022年3月23日 19時