恋を運んできたのは猫。【まふまふ】

15.吐息多めで ページ17

「あ、そうだ、宮内さ…んじゃなくて、Aさん、今何歳？」

「私ですか？２０歳は超えてますよ？」

「じゃあ、次、居酒屋行きませんか？いや、僕はお酒あんま飲めないんだけど」

誘っちゃったよ？！どうしたの僕？！すごい！！

「え、意外です…なんか。シャンパンとか一気飲みしてそうなイメージが…」

「うそ？！そんなにチャラそうに見える？」

「第三印象は、ですからね？今は紳士だなぁと」

第三印象それだったかー！…ん？三？

「第一印象は？」

「あ、えっと、…ゎ…とです」

「？」

「かわ、いい人、だ、と」


誰に言っているんだ？僕のどこが？


髪はキシキシと痛んできた金髪で、真っ黒のヒラヒラさせた服、友達からは

「ただのホスト」

と声を合わせて言われるほどだ

「…それは喜んでいいのかな？」

「ごめんなさい」


そおっと顔を伺うように目をあげた彼女に耳で、ほんの少し自慢の声で囁いてみる

「今日の僕はかっこよかったかな？」

ちょっと吐息多めの息継ぎありで、あれ、なんか注文みたいだな。砂糖多めのコーヒーで、見たいな？どうでもいいか、


耳から口を離して目をじっと見つめると、ようやく頭が回り始めた彼女は顔を火照らせて、

「か！かっこよかったです！！！では！！！」


と走って行ってしまった


「…失敗だったかな…どうしよ、会えなくなったら」


ちょっと反省をしながら自己嫌悪に陥っていた

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