20話 忍者 ページ20
トイレから出て来た智君は私を見てフニャッと笑った。
｢ほんとに待ってた｣
｢えっ、いるのが分かってたの？｣
｢着いて来てんのをね？｣
｢智君って忍者!?｣
｢･･････この場合は着けて来たりしといて、Aが忍者じゃねぇの？ でも全然気配消えてなかったけど｣
突っ込まれて穴があったら入りたくなった。
恥ずかしい。
｢なに？ ･････どっか行く？｣
優しさを感じてジーンとしちゃった。
もうすぐ出なくてはいけない智君に、どこかで私の話をゆっくり聞くような、そんな時間はないはずなのに。
私は緊張していた肩の力を抜いた。
････････あぁ、やっぱり好きだな。
その時、通り掛かった相葉さんと二宮さんが私達を見て微笑んだ。
｢トイレの前で立ち話なんて、クサイ仲だね〜｣
二宮さんが言えば、相葉さんも笑いながら言った。
｢こんなところで逢い引きなんてしてないで、会議室とか、どっか個室に行きなよ〜。その方がいろいろできるじゃん｣
二宮さんが相葉さんの頭を叩いた。
｢天真爛漫過ぎんでしょ！ 平和そうな顔して社内でやらしいこと言うなっつうの！｣
仲のいい二人。
思わず私と智君も笑ってしまった。
二人が立ち去っていって、智君が再び聞いてきてくれた。
｢で？｣
｢･････ううん、もういいの。智君と話したかっただけみたい。もう落ち着いたから｣
｢･･････出張のこと？ ･･････二人だから？｣
言い当てられて、情けなくなった。
こんなことでヤキモチ妬く自分が情けない。こんな女の子、智君は嫌いかもしれない。
そう考えた瞬間、私はぞっとして、首を横に振った。
｢ううん、違うよ。お土産。お土産のこと！ お土産買う暇があったらお願いね？｣
｢土産ぇ？｣
｢甘いお菓子｣
｢･････わかった。･････でも、やっぱ言いたいこと他にあんでしょ？｣
鋭い！
｢な、ないない！ じゃあね、いってらっしゃい智君。遅れるよ？ ほら、行って行って！｣
私がにっこり笑って追い立てたら、智君は視線を残しながらも席に戻って行った。
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様こんにちは！好きの溢れるとっても幸せなコメントをありがとうございました。思わずにやけちゃいました。また萌の詰まった幸せなお話を書きたいと思えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2020年4月10日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんにちはー。私もロンバケの二人は平和で可愛いので大好きなお話です。また機会があったら是非とも書いてみたいと思っています。嬉しいコメントをありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。読んで下さってありがとうございます〜。最近の智君のビジュアルほんと素敵だと思いません？あのビジュアルを想像しながらお話作ってます。相変わらず手洗いソングとワンラブリボーンを鬼リピしてます。近々また更新しますからねー！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは！私もお姉様好きです。お話を面白くしてくれるので感謝もしてます(笑)。オフィスものはスイスイ書けるので、書いててストレスフリーで実に楽しいです。また新作で作ってみたいものです。ありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちは。君の〜の続編近々更新しますので楽しみにしてて下さいね〜。のんびりした二人のお話は作ってて癒されます。 (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年3月31日 16時
